『舌がんについて』

更新日:2020/01/31

『舌がんについて』

タレントの堀ちえみさんが舌がんを公表されました。堀さんは進行がんで大きな手術であり、術後の舌の痛みもかなりなものだったようですが、今では元気に復帰されています。この報道と、自信で確認しやすい場所であることもあり、口腔がんを疑い受診をされる方が増加しています。
 舌がんを含め口の中にできるがんを「口腔がん」といいます。歯肉や舌など様々なところにできますが、舌がんが一番多く有名です。一見口内炎のように見えるものもあり、見た目だけでがんなのかどうか判断することはできません。口内炎は1~2週間で治りますが2週間以上治らない場合は、隠れた他の病気を疑い一度病院を受診されることをお勧めします。
 では、どんな人が罹患しやすいのでしょうか。一番の危険因子はお酒とたばこです。たばこは発がん因子の一つとしてよく耳にしますが、お酒も咽頭・口腔・喉頭へのリスクがあるため飲み過ぎには注意が必要です。
 そして舌がんの診断には、組織をとり病理検査をすることが確実です。もし舌がんと診断されたら「がん」を取ってしまうことが重要ですので、手術が治療の第一選択となります。早期であれば舌がんの周りに安全域を付けて舌の部分切除をするだけですみますが、進行がんで舌の多くを切除した場合、体の一部を使って舌の一部の再建が必要となってきます。その場合は術後の嚥下、構音(喋る訓練)のリハビリも必要となり大変な努力を要します。
 したがって、予防と早めの受診が大切です。予防に関しては、禁煙・禁酒、口腔ケアが重要です。歯磨きやうがいで口腔衛生を保つように心がけましょう。
 何か心配になったり、気になることがありましたら早期受診・相談をしましょう。

執筆者

耳鼻咽喉・頭頸部外科 特任医長  宇野 雅子
専門医・指導医 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・指導医/日本臨床腫瘍学会暫定指導医/日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医制度暫定指導医/日本めまい平衡医学会認定めまい相談医/日本嚥下医学会認定嚥下相談医/日本耳鼻咽喉科学会補聴器適合判定医
専門領域・得意分野 頭頸部悪性腫瘍

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