熱が出る、頭が痛い、吐き気がある・・・その症状、髄膜炎かもしれません

更新日:2020/08/26

熱がでる、頭が痛い、吐き気がある・・・その症状、髄膜炎かもしれません

   脳や脊髄の表面にある膜を髄膜といい、髄膜に炎症が起きたものを髄膜炎といいます。
 子供に多くみられますが、どの年代の方にも起こり得る病気であり、特に体が弱っていたり抵抗力・免疫力が低下している状態で発症します。
 髄膜炎になると、まず発熱・頭痛・吐き気・体がだるいなど風邪に似た症状や、首が痛い・首が硬くなるなどの症状がみられます。また、更に悪化すると、意識障害や痙攣が現れることもあります。
 診断するには、血液検査などの一般的な検査ではなく、髄液検査をしなければなりません。髄液検査は、腰椎と腰椎の間に針を刺し、脳と脊髄のまわりを循環している液体である髄液を取り、細胞の数やたんぱく質・ブドウ糖の量を調べる検査です。
 原因は様々ありますが、細菌性、ウイルス性、結核性、真菌性などの感染症や、がんや薬など感染症以外の原因もあります。菌の種類を特定するために、髄液の培養検査を行いますが、検査結果が出るまでに少し時間がかかるため、結果を待たず速やかに抗菌薬を点滴で使用します。その後、培養検査で原因菌を特定できれば、その菌に最も効果的な抗菌薬に変更することがあります。
 副鼻腔炎や中耳炎、肺炎などを患っている人や、虫歯を放置している人は髄膜炎を発症することがあります。
 治療は、比較的長期になるケースが多く、細菌性・結核性の場合は非常に長期間点滴をしなくてはなりません。早めに診断・治療することが重要になるため、風邪に似た症状でも何かおかしいと思ったら早めに病院を受診してください。

執筆者

内科 非常勤  山田 治来
専門医・指導医 日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医・中国支部評議員/日本神経学会専門医・指導医/日本頭痛学会認定頭痛専門医・指導医・代議員
専門領域・得意分野 頭痛/パーキンソン病/神経変性疾患、末梢神経/筋疾患の診断と治療

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