耳の入り口から鼓膜の手前側を外耳道と呼びますが、外耳道に鼓膜の表皮が剥がれ落ちたものと、皮脂腺や耳垢線からでてくる分泌物と埃が混ざったものを耳垢と言います。
耳垢は耳の入り口に剥がれ落ちてくるため、入り口を少し拭うだけで耳垢はとれます。また、外耳道には自浄作用があるため、耳掃除は月1回で良いと考えられます。耳の奥は骨部と呼ばれ、耳垢線がないため耳垢ができることはありません。そのため、耳掃除は耳の穴から1cm程度で良いと言えます。
耳掃除のやり過ぎは外耳炎や乳幼児の場合は皮膚が柔らかくただれる原因になるため、気をつけましょう。
耳垢には乾性と湿性があり、日本人は7~8割が乾性と言われていますが、乾性、湿性、どちらでも問題はありません。乾性の場合は、自浄作用が働き耳の入り口に出てきやすいですが、湿性の場合は、ねばっとしているため綿棒で押し込んで固まり、粘土が固まったようになる耳垢栓塞になり、聞こえが悪くなったりすることがあります。そのため、お風呂あがりに耳が濡れた状態で入り口あたりをくるっと拭う程度で十分です。
お子さんや高齢の方で、自分で耳掃除をするのが難しい方は、遠慮なく耳鼻科を受診してください。