親知らずは元々皆さんにあるもので、20歳前後の親が知らない時期から腫れたり痛くなったり症状が出やすくなる歯のことを言います。他の歯と同様に真っすぐ生えてくる方もいますが、大半が半分くらい生えずに埋まっていたり、斜めに生えて隣の歯を虫歯にしてしまったり、トラブルの多い歯です。生えてくるスペースがあれば真っすぐ生えてきますが、現代人は顎が小さくなっていると言われており、真っすぐ生えきらずに何らかの障害になっているケースが多いとされています。
治療に来られる方は、20歳前後から40歳代の方が多く、男女差はありませんが、抜歯を希望される方は歯並びを治す矯正治療の一環でされる方が多いです。痛くない、腫れない、歯磨きも綺麗に出来るなどの状態であれば、抜歯をしなくても問題ありません。食べ物が詰まってくさいにおいがする、虫歯になって痛い、歯茎が腫れるというトラブルが数回あれば抜歯をするケースとなります。
歯茎が腫れた状態で放っておくと、口を開ける筋肉の近くが腫れるため、口が開かなくなったり、酷い時は、顔全体がパンパンに腫れて頬っぺたに穴を開けて膿が出てくるような症状や、腫れが喉に下りてきて息をしづらくなる場合もあります。
痛みや腫れが出た場合は、薬や消毒で一旦症状を抑え、レントゲンで歯の位置を確認し歯を抜くことがほとんどです。歯茎の中から取り出す場合は、通常の抜歯に比べて時間がかかることが多いため、時間を取って行います。顎の骨の中には太い神経があり、下の親知らずを抜いた場合にしびれが残る場合もあるため、しっかり説明し注意をして行います。
親知らずの症状が悪化しないためには、レントゲンでどのような生え方をしているか確認し、虫歯になっていないかを定期点検で確認しておく必要があります。また、歯科では歯磨きの仕方や口腔内を綺麗な状態に保つアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。