実は日本人の4人に1人は慢性的な耳鳴りに悩んでおり、特に高齢者では多く発生し、難聴者において30~40%が耳鳴りと認められています。
耳鳴りの原因は明らかにはされていませんが、内耳の障害に伴う感音難聴がもっとも一般的です。
ただ耳鳴りは治らないと諦めないでください。治療は可能です!
『耳鳴り外来での診断・検査』
1.耳鼻咽喉科医により問診および外耳・鼓膜・中耳の診察を行います。
2.言語聴覚士が難聴の有無や程度を検査します。(純音聴力検査)
3.同じく言語聴覚士が耳鳴り検査として耳鳴りの種類・周波数や大きさ(音圧)を調べます。
『耳鳴り外来での治療』
1.慢性中耳炎など中耳疾患が認められれば、保存的治療・手術的治療を行います。
2.感音難聴であれば、ビタミンB12製剤、循環改善剤などを内服していただきます。数か月服用していただき効果がなければ牛車腎気丸、釣藤散、柴苓湯などの漢方薬を処方(西洋薬との併用も可能)します。漢方薬は短期間で効果が認められる場合と、牛車腎気丸のように8週間以上服用することで効果があがる生薬があります。最初から漢方薬を処方することも可能です。
3.さらに難治性耳鳴りの患者さんには、難聴に対して環境音を増幅して耳鳴りを和らげる補聴器の装用も効果的です。また欧米で始まったTRT(耳鳴り再訓練療法)を導入いたします。TRTとは、耳鳴りに対するカウンセリングを主体とし、さらにご相談の上、TCI(tinnituscontrolinstrument)という機器を使用して、耳鳴りに順応を起こさせる治療もお試しいただけます。
4.その他、心理療法、運動療法、民間療法(耳もみ、ひざゆらし、ツボ、クルミ、黒酢豆乳、青汁、蜂の子)などもご紹介いたします。