心房細動の最新アブレーション法:パルスフィールドアブレーション

更新日:2024/12/09

心房細動の最新アブレーション法:パルスフィールドアブレーション

心房細動の治療法であるカテーテルアブレーションは、高周波通電や冷凍凝固バルンなどがこれまで主に使用されてきました。2024年から本邦で薬事承認をされ、今後使用が予定されているアブレーション法がパルスフィールドアブレーションです。これ は短時間パルスで高電圧をかけることによりパルス電場を発生させ、細胞膜表面に生じさせた不可逆的な穿孔により細胞死を引き起こすアブレーション法です。これまでの高周波通電のように熱する(焼く)ことで治療する方法とは大きく異なります。心筋は 細胞死を起こす閾値が低いため、治療ターゲットとする心筋細胞のみを選択的にアブレーションできることが期待できますし、また、熱に依存しないアブレーションですので、食道や横隔(膜)神経などの心臓周辺臓器への損傷や、肺静脈の狭窄などの合併 症が非常に減少することが期待されます。特に食道の合併症は大変稀ですが致命的な場合がありますので、この新しいアブレーション法は大変期待されています。
 心臓血管外科が常に対応可能な体制であるなどの施設基準を当院は満たしており、今後早期の導入を予定しています。

 

執筆者

内科 部長  永瀬 聡
専門医・指導医 日本循環器学会専門医・近畿支部評議員/日本不整脈心電学会専門医・評議員/埋込み型除細動器・ペーシングによる心不全治療登録医/日本内科学会総合内科専門医/左心耳閉鎖システム (WATCHMAN) 実施医/不整脈薬物治療ガイドライン(2020 年改訂版)作成班協力員/遺伝性不整脈の診療に関するガイドライン(2017 年改訂版、2026年改訂版)作成班協力員/Journal of Arrhythmia editorial board/臨床心臓電気生理研究会幹事/国立循環器病研究センター客員部長
専門領域・得意分野 不整脈全般/カテーテルアブレーション/重症心室不整脈/心房細動/左心耳閉鎖術

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