心房細動の治療法であるカテーテルアブレーションは、高周波通電や冷凍凝固バルンなどがこれまで主に使用されてきました。2024年から本邦で薬事承認をされ、今後使用が予定されているアブレーション法がパルスフィールドアブレーションです。これ は短時間パルスで高電圧をかけることによりパルス電場を発生させ、細胞膜表面に生じさせた不可逆的な穿孔により細胞死を引き起こすアブレーション法です。これまでの高周波通電のように熱する(焼く)ことで治療する方法とは大きく異なります。心筋は 細胞死を起こす閾値が低いため、治療ターゲットとする心筋細胞のみを選択的にアブレーションできることが期待できますし、また、熱に依存しないアブレーションですので、食道や横隔(膜)神経などの心臓周辺臓器への損傷や、肺静脈の狭窄などの合併 症が非常に減少することが期待されます。特に食道の合併症は大変稀ですが致命的な場合がありますので、この新しいアブレーション法は大変期待されています。
心臓血管外科が常に対応可能な体制であるなどの施設基準を当院は満たしており、今後早期の導入を予定しています。