~生活習慣病と認知症~

更新日:2016/12/13

~生活習慣病と認知症~

最近は健康関連のテレビ番組が多く、それを見た患者さんから、聞いたこともない“○○症候群”について尋ねられ、戸惑うことがあります。また、認知症に関する情報も多いのですが、関心を引くためか、偏った内容になっていると感じることが少なくありません。

認知症は患者数がとても多く、膨大な疫学研究の報告があります。
研究によって結果が異なることもあるのですが、多くの研究の最大公約数的な見解としては、2010年にNIH(アメリカ国立衛生研究所)がまとめたものがあります。
それによると、認知症の予防に役立つのは、社会交流や知的な活動、運動を続け、バランスのとれた食事をし、糖尿病、高血圧、脂質異常症を改善し、肥満や喫煙は避けるという、誰もが知っている“健康的な生活”のイメージそのものです(日本医師会雑誌, 141, 2012でも紹介)。


また、一部のビタミン類やω-3不飽和脂肪酸など、いくつかの栄養素が認知症の予防として作用するとされていますが、認知機能に問題が生じつつある時期(MCI)から、あるいは認知症を発症してからサプリメントとして投与してもその予防効果や治療効果は証明されておらず、習慣的に食事から摂ることが大切なようです。

因みに、運動(特に有酸素運動)は、認知機能低下を遅らせる効果が証明されており、さらに、海馬の萎縮を予防し、認知機能を改善させたという報告もあるなど、近年改めて注目されています。


このように見てくると、生活習慣病の予防と治療は、そのまま認知症の予防にもなっていると言えそうです。

執筆者

心療科 部長  石原 武士
専門医・指導医 日本精神神経学会指導医・専門医/日本認知症学会評議員/日本認知症学会指導医・専門医/日本総合病院精神医学会一般病院連携精神医学指導医・専門医/日本医師会認定産業医/精神保健指定医/精神保健判定医/厚生労働省認知症サポート医/医学博士/日本老年精神医学会指導医・専門医/日本精神科診断学会評議員
専門領域・得意分野 うつ病/パニック障害/適応障害/認知症を始めとする高齢者の精神障害/地域精神医療

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