よくわかる脳卒中のお話・・・その6

更新日:2017/08/18

脳卒中の前触れ~一過性脳虚血発作~

脳卒中はおおまかに脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血に分けられますが、そのうち脳梗塞の場合には前触れとなる症状が現れることがあります。これを一過性脳虚血発作と言います。

これは脳梗塞と同じように、脳の血管が詰まるために起こりますが、血栓が自然に溶けて流れ去ることで血流が回復し、症状はすぐに消えてしまいます。

24時間以内に症状の消えるものを一過性脳虚血発作としていますが、
実際にはほとんどが5分~数十分で消えます。この段階で適切な治療を受けていれば本格的な脳梗塞を防ぐことができます。 

一過性脳虚血発作の症状は、基本的には脳梗塞の症状と同じです。梗塞の部位によって、現れる症状はそれぞれ異なりますが、
注意しないといけない症状は、「食事中に箸を落とす、ろれつが回らない、片側の手足がしびれる、片側の目が見えにくくなる、言葉が出ない」などが、5~数十分で消えることです。
 


一過性脳虚血発作では症状が短い間に消えてしまうため、「年齢のせいだろう」などと考え見過ごしてしまいがちです。しかしこの発作の後治療を受けないままだと、そのうちの約三分の一の人がいずれ脳梗塞を起こすとされています。おかしいなと思ったときには速やかに専門の医療機関を受診してください。

これらの症状は一過性のものなので、受診する段階ではすでに症状は消失しています。医師に説明する際は「どのような症状が、いつ起こり、どのくらいの時間持続したのか」に重点を置いて詳しく説明してください。可能であれば、症状が起こった際にメモを取るなどしておかれるとよいでしょう。



次回は、脳卒中による手足の麻痺について、詳しくご説明します。
 

執筆者

脳卒中科 副部長  井上 剛
専門医・指導医 日本内科学会認定内科医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
専門領域・得意分野 神経疾患全般/脳卒中全般

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