よくわかる脳卒中のお話・・・その14

更新日:2017/12/18

「けいれん」について

脳卒中によるてんかん
けいれんは、発作的に数分から数十分の間、体に強く力が入って、手足が震えることをいいます。また、脳になんらかの異常があるためにけいれん発作が起こるものを、てんかんといいます。

救急外来に来られる、けいれんの見られる患者さんの大部分は、てんかん発作で起きるけいれんが主ですが、そのほかに発熱、ヒステリー、低血圧、高齢者の手足の震え、失神、めまいなどが原因で来院される方もいます。

ほとんどの方は来院されたときにはけいれんは止まっているため、私たちは発作が起こったときの状況を根掘り葉掘り聞いて、てんかんか否かの見当をつけて検査と治療を進めます。

脳梗塞を始めとする脳卒中は、成人特に高齢者の方におきるてんかんの主な原因のひとつです。脳梗塞の患者さんで、てんかんを起こすことはまれではありません。脳卒中で障害を持った脳組織の中にある神経細胞が、異常に活動しててんかんを起こすとされています。

その大部分は、脳卒中を発病した日から2年以内にけいれん発作がありますが、数年たって発作が起こることもあります。私たちの病院では脳卒中が原因でてんかんを起こした場合は、再びけいれん発作が起きないように、予防のため抗てんかん薬を服用していただきます。脳梗塞によるてんかんのほとんどは、1種類の抗てんかん薬でその予防が可能です。

けいれん発作を起こした患者さんが私たちの病院の救急外来に来られた場合、まず患者さんが周囲にあるものにさわってけがをしないよう、危険物と思われるものを移動します。
次に、呼吸ができているかどうかを確認します。のどに何か詰まって呼吸ができないときはそれを除去して、呼吸がスムーズにできるようにします。
その後、酸素吸入と点滴を開始し、抗てんかん薬を静脈注射しけいれん発作を止めます。20分以上けいれん発作が持続すると脳に障害が生じ始めるので、緊急にけいれん発作が止まるまで抗てんかん薬を投与します。

けいれん、てんかんというと、乳幼児や小児に起こる病気に思われがちですが、50歳以上で発症するものは脳卒中の後に起こることが最も多いため、発作が疑われる場合には最寄りの病院に相談されることをお勧めします。

 

次回は、老年期のうつ病について、詳しくご説明します。

執筆者

脳卒中科 副部長  井上 剛
専門医・指導医 日本内科学会認定内科医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
専門領域・得意分野 神経疾患全般/脳卒中全般

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