中央放射線部

SPECT(一般)

検査の概要

静脈注射などによって微量の放射線を放出する放射性医薬品が体内に取り込まれ、検査の目的となる部位(臓器)に集まる性質を利用します。
体内より検出される放射線を専用のカメラで画像化し、データを解析することで診断します。

検査の目的

臓器の形(形態)の異常診断のみならず、臓器の働き(機能)もとらえることができます。

検査のながれ

検査部位(臓器)に集まるまでの生理学的時間も様々で、撮影も注射直後から数時間、あるいは数日後になる検査もあります。
検査の時間は20分~45分程度です。
ベッドに仰向けに寝ておこなう検査がほとんどです。
検査目的により、数時間後に2回目の撮影をすることもあります。

放射線被曝

検査の内容により使用する放射性医薬品が異なりますが、被曝量はごく微量です。
核医学検査で使用する放射性医薬品の放射能は、短時間で減る性質を持ちます。また、尿・便等により体外に排泄されるため、体内に残ることはありません。
したがって被曝による体への影響の心配はありませんので安心して検査をお受け下さい。

副作用

日本アイソトープ協会によると、核医学検査における副作用の発生率は、10万件あたり0.9~2.7件とごくわずかです。また、副作用の内容も発疹、嘔気、悪心、皮膚発赤、顔面紅潮、掻痒感などの軽微から中等度のものがほとんどです。

注意事項

  • 1. 次の方は、検査予約をする時に必ずお申し出ください。
    ・妊娠中、妊娠の可能性のある女性や、授乳中の方。
    ・閉所恐怖症の方。
    ・1週間以内に他の核医学検査を受けられた方。
    ・核医学検査後に骨密度検査を受ける予定の方。
    ※核医学検査の放射性医薬品の投与前に受けられる場合は、当日でも問題ありません。
  • 2. 検査説明書に当日及び検査前日等に行うことを説明しておりますので、必ずお守り下さい。
  • 3. 検査には予約が必要です。また、予約をキャンセルされる場合は早めにご連絡ください。
  • 4. 検査終了後24時間は、可能な限り乳幼児、 妊産婦との接触を控えるようにしてください。

脳血流シンチグラフィー

検査の概要

脳血流シンチグラフィーは、静脈から投与された放射性医薬品が脳に運ばれて、脳内で停滞し、その分布を専用のカメラで撮影する検査です。この検査では脳血管障害の状況がわかります。
また画像統計解析を行うことにより認知症性疾患の鑑別に役立ちます。

方法

検査台に仰向けに寝て、眼からの光刺激を抑制するためアイマスクを着用します。
5~10分安静後、薬を投与し撮影を始めます。
検査の精度を上げるため、薬の投与は右上肢からとなります。
病気などの理由で右上肢に注射ができない方、透析シャントのある方はあらかじめご相談ください。
※認知症性疾患の鑑別のみの場合は、この限りではありません。
撮影中の息止めはありませんが、身体を動かさないようにしていただきます。

検査所要時間

放射性医薬品の投与を含め、30~50分程度です。

検査前後の注意事項

事前の食事制限等はありません。

心筋シンチグラフィー

検査の概要

心筋シンチグラフィーは、心臓の血流、脂肪酸代謝、交感神経機能などの低下している部分を評価することができます。特に血流の評価をする場合は、運動または薬剤により心臓に負荷を与える事で、安静時には描出できない心臓の異常を評価できます。

方法

心臓の血流、脂肪酸代謝、交感神経機能の検査目的に合わせた放射性医薬品を静脈から投与します。
血流の検査は、安静時のみと心臓に負担をかけて行う心筋負荷安静シンチがあります。
心筋負荷安静シンチグラフィーでは負荷時と安静時の2回撮影を行います。
負荷には、自転車をこぐ運動負荷、または薬剤を使用した薬物負荷があります。
基準の負荷量に達した時点で放射性医薬品を静脈に投与し、撮影します。
撮影後は3~4時間安静にしていただき、再度撮影を行います。

脂肪酸代謝、交感神経機能の検査は、薬を投与し、15分後より25分程度かけて撮影します。
撮影は2度行います。

どの心臓検査も撮影中の息止めはありませんが、大きな呼吸は避け、身体を動かさないようにしていただきます。

検査所要時間

心筋負荷安静: 1回目は45分程度、2回目は30分程度です。
脂肪酸代謝: 40分程度です
交感神経機能: 1回目は40分程度、2回目は25分程度です

検査前後の注意事項

血流検査
安静時のみ:前日の21時以降絶食です。
心筋負荷安静:前日の21時以降絶食、およびカフェインを含むコーヒー・紅茶・日本茶等は禁止です。(水のみ飲水可能)
また、検査3時間前より禁煙です。

脂肪酸代謝・交感神経機能は、食事制限はありません。

骨シンチグラフィー

検査の概要

骨シンチグラフィーとは、骨の代謝の状況を調べる検査です。
骨転移等で生じる骨の病態の診断をします。

方法

静脈から放射性医薬品を投与し、2~3時間後に再度検査室にお越しいただきます。
撮影直前に排尿をお願いします。
撮影は検査台に仰向けに寝た状態で行います。
撮影中の息止めはありませんが、身体を動かさないようにしていただきます。

検査所要時間

放射性医薬品の投与は数分で終了します。
2~3時間後におこなう撮影は20分程度ですが、検査内容により追加撮影をおこなう場合があります。

検査前後の注意事項

この検査では、事前の食事制限等はありません。

Ga(腫瘍・炎症)シンチグラフィー

検査の概要

Ga(腫瘍・炎症)シンチグラフィーは、悪性腫瘍や発熱等の炎症部分を調べる検査です。

方法

静脈から放射性医薬品を投与し、3日後に撮影を行います。
検査台に仰向けに寝ていただき撮影します。
息止めはありませんが、身体を動かさないようにしていただきます。
便が撮影の妨げになる場合がありますので、腹部精密検査では撮影前日に下剤を服用することがあります。

検査所要時間

放射性医薬品の投与は数分で終了します。
3日後の撮影は40分程度ですが、検査内容により追加撮影を行う場合があります。

検査前後の注意事項

この検査では、事前の食事制限等はありません。

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