しかし、これらの分子標的が見つからない場合もあります。そこで2015年には、二次治療において化学療法よりも優れた結果と安全性を持つ免疫チェックポイント阻害薬(ICI)であるニボルマブが導入されました。その後、初回治療においてもICIやICI+化学療法が標準治療となり、これにより長期生存者も増加しています。最近では、肺がんの手術前または手術後にICI+化学療法を行うことが、これまでにない治療成績を達成し、標準治療として確立されました。
当院では、呼吸器・腫瘍内科医、呼吸器外科医、放射線診断・治療医、病理医など、さまざまな専門医が毎週カンファレンスを開催し、患者さんにとって最も効果的で安全な診断・治療法を検討しています。肺がんは全ての悪性腫瘍の中で罹患数が2番目に多く、死亡数では1位となる身近な病気です。気になる症状や不安があれば、ぜひ受診をお勧めします。
