病院指標

令和3年度 病院指標

令和4年10月1日

公表項目

【集計条件】
  • ○集計対象
    ・令和3年4月1日から令和4年3月31日までの退院患者であり、一般病棟に1回以上入院した患者
    ・医科レセプトのみもしくは歯科レセプトありの患者
  • ○集計対象外
    ・入院した後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児は集計対象外
    ・臓器移植は集計対象外
  • ○患者数が10人未満の場合は、-(ハイフン)で表示

1. 年齢階級別退院患者数

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  • 一般病棟の年齢階級別(10歳刻み)患者数
  • 入院した時点の年齢で集計
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 158 240 280 271 457 870 1,371 2,244 1,596 404
厚生労働省の令和2年患者調査によれば、日本では入院患者の約74.7%が65歳以上です。また、年齢が上がるにつれ、入院期間が延びる傾向にあることもわかっています。当院では、入院患者の64.1%が65歳以上です。この年齢層に多い疾患は、「肺の悪性腫瘍」「脳梗塞」「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全」「白内障、水晶体の疾患」「胆管(肝内外)結石、胆管炎」です。一方、64歳以下の年齢層では「斜視(外傷性・癒着性を除く。)」「肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)」「扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎」「乳房の悪性腫瘍」が多くなってます。当院の得意分野を反映し年齢層により疾患構成に特徴が見られます。これからも、当院は地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者さんに質の高い医療を提供していきます。
 

2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 188 2.14 2.65 0.00 67.97
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 156 5.92 9.21 6.41 75.74
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 生検(気管支ファイバースコピー、経皮的生検、超音波気管支鏡下穿刺吸引生検等) 130 3.08 3.30 0.77 72.77
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 化学療法あり放射線療法なし 101 13.64 9.07 2.97 71.46
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 66 17.73 20.57 22.73 83.71
当院内科で最も入院患者数が多いのは消化器の病気で、続いて呼吸器疾患(肺がん、肺炎)となっています。消化器の病気は大腸ポリープの治療が最も多くこれは他の岡山市内の大病院と同じ傾向です。続いて胆道疾患が多くなっています。これらの多くは総胆管結石の治療ですが、がんによる黄疸や胆管炎も含まれています。昨年同様入院期間は全国トップクラスで偶発症が少なく短期間で退院できていることがわかります。また、転院率が高いのは市内の高齢者施設からの依頼を積極的に受け入れているためであり、高度な内視鏡治療が困難な高齢者でも安全に速やかに治療ができていることがわかります。また、内科として入院患者を集計しているため、上位には上がりませんが胃がんや大腸がんの内視鏡治療も多数例行っています。次に肺がんの診断と治療が3位と4位に入っています。昨年と比較して症例数が30から40例ほど伸びています。肺がんは日本人のがん死で最も多い原因疾患であり重要な領域で、今後も積極的に取り組んでいきます。
なお、消化器と呼吸器のみならず当院では循環器、血液、腎、膠原病、脳神経の全身疾患に対応できるように内科スタッフを充実させ、それぞれの分野で専門的診療を行っています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 111 11.89 7.87 13.51 72.30
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 58 8.88 5.32 3.45 73.67
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術あり 56 4.71 4.74 7.14 72.71
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 53 17.09 10.47 3.77 72.26
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 50 9.78 7.11 6.00 68.84
当院外科(川崎医科大学総合外科学)では、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺甲状腺外科から救急外科まで、広範囲にまたがる外科診療をひとつの診療科として担当しています。消化器がんだけでなく、急性胆嚢炎や急性虫垂炎、鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下手術も増加しています。乳がんに対する乳房温存手術や肺がんに対する胸腔鏡手術など専門性の高い手術も多く行っています。血管外科では、閉塞性動脈疾患に対する多くの血管内治療や手術を行い、慢性腎不全に対するシャント増設や閉塞に対する治療も行っています。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
160620xx01xxxx 肘、膝外傷 腱縫合術等 103 13.24 13.52 3.88 27.95
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 88 31.89 25.32 54.55 83.55
160620xx97xxxx 肘、膝外傷 関節滑膜切除術等 38 3.11 5.61 0.00 30.53
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 38 26.95 23.02 21.05 72.58
160700xx97xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症 人工関節再置換術等 30 4.47 5.99 3.33 55.70
整形外科は、スポーツ傷害、骨折、関節障害の治療を得意としています。特に関節鏡手術である靱帯再建、半月縫合、軟骨移植手術を伴う「肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等」の症例は群を抜いて多くなっています。また、高齢者の外傷・骨折の頻度も高く、特に大腿骨頸部・転子部骨折に対する人工骨頭置換術や骨接合術を多く施行しております。また、同じく上腕骨骨折や鎖骨骨折なども含め、受傷後直ちに入院手術を行い、手術後早期からは退院、自立支援のリハビリテーションを受けることができます。さらには、重度関節内骨折や骨盤・寛骨臼骨折、偽関節や骨髄炎など難治性骨折に対しても高度な専門治療を行っています。また、変形性膝関節症に対しては、人工関節の開発に携わっていることから、積極的に手術支援コンピューターナビゲーションを用いて、患者さん個人に合わせたオーダーメイド医療を提供しております。

形成外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 10 9.00 5.16 10.00 48.50
100100xx97x0xx 糖尿病足病変 手術あり 10 40.20 24.37 20.00 67.30
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり - - 2.94 - -
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍 組織拡張器による再建手術(一連につき)、乳房(再建手術)の場合等 - - 8.10 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 - - 4.01 - -
当院形成外科では、顔面骨骨折を含む顔面外傷、糖尿病や虚血による難治性足潰瘍、乳癌術後の乳房再建を多く扱っております。顔面骨骨折では、鼻骨骨折、頬骨骨折、眼窩底骨折、上下顎骨骨折など幅広く治療しております。難治性足潰瘍では、血管外科、糖尿病内科などと連携しながら、創傷被覆材や洗浄機能付き陰圧閉鎖療法を用いた保存的治療から、手術による外科的治療まで行っております。乳房再建では、これまで主に乳房インプラントによる再建を行っておりましたが、自家組織での乳房再建も手掛けていくことにしております。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 ドレナージ、血管塞栓術等あり 30 12.23 9.78 30.00 75.80
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 21 21.10 8.30 28.57 73.43
010040x099000x 脳出血(JCS10未満) 手術なし 18 15.28 18.90 33.33 65.39
010020x099x0xx くも膜下出血、破裂脳動脈瘤(JCS10未満) 手術なし 18 26.39 8.46 5.56 61.11
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成)等 14 12.50 15.77 14.29 70.43
1. 頭部外傷について:
当院では24時間365日救急医療を実践しております。その結果、当科の特徴として、軽微な頭部打撲から、重症の急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折など、頭部の外傷が多くの患者さんの割合を占めており、迅速かつ、高度な医療体制で良好な結果が得られています。

2. 脳動脈瘤の治療について:
脳動脈瘤は、破裂してくも膜下出血で見つかる場合と何かの理由で偶然動脈瘤が見つかる場合があります。治療は、開頭クリッピング術とカテーテルによる血管内治療(コイル塞栓術など)が挙げられますが、当院では、この両方の治療をいつでも行える体制をとっており、現在、この疾患の患者数が急増しています。また、この病気を支える脳神経外科医師の中で、25年以上の経験医師は3名、脳卒中専門医は2名、脳血管内治療指導医は1名の体制であり、県内有数の治療体制を自負しています。

3. 脊椎・脊髄の治療について:
脳神経外科は、脳以外の神経外科を担当する科でもあります。当院では、現在患者数が急増している首、肩、腰のしびれ、痛みを専門とする脳神経外科、脊椎・脊髄指導医を有し、中四国地方でも有数の症例数を誇っています。腰部脊柱管狭窄症、脊椎すべり症、頸椎損傷、その他多くの首、肩、腰の痛みやしびれの治療に力を注いでいます。

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし、化学療法あり、ベバシズマブ 24 5.29 4.08 0.00 55.50
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし、化学療法あり放射線療法なし 20 7.10 4.34 0.00 68.75
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 14 6.57 6.11 0.00 38.93
12002xxx01x0xx 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等 11 12.27 11.55 9.09 65.73
12002xxx02x0xx 子宮頚部高度異形成 手術あり 10 3.00 3.05 0.00 44.40
当院産婦人科では卵巣がんや子宮がんなどの婦人科悪性疾患に対して、最新のエビデンスに基づいた手術、抗がん剤などの標準治療を幅広く行っています。初回治療のみならず、再発治療、緩和治療、セカンドオピニオンもお受けしています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く) 手術あり 176 2.96 3.11 0.00 15.47
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり、片眼 133 2.35 2.71 1.50 75.41
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり、両眼 34 5.03 4.83 8.82 75.85
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.11 - -
020150xx99xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く) 手術なし - - 9.36 - -
斜視手術の半数は外来手術となっており、これを合わせると令和3年度は460件の斜視手術を実施しました。入院が必要な場合(主に12歳以下)は、2泊3日です。白内障手術は、片目のみの手術で、日帰りから2泊3日までご都合に合わせて選択できます。

耳鼻咽喉・頭頸部外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎 急性咽頭喉頭炎 手術なし 58 5.60 5.71 1.72 45.60
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 49 7.55 4.92 0.00 67.88
030428xxxxxxxx 突発性難聴 42 9.64 8.75 0.00 62.90
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 37 7.84 6.47 0.00 54.89
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 37 9.14 7.84 0.00 30.08
耳鼻咽喉・頭頸部外科は、扁桃周囲膿瘍・急性扁桃炎・急性咽頭喉頭炎などの急性炎症疾患が最も多く、次いでめまい・前庭機能障害疾患です。さらに扁桃・アデノイド手術、慢性副鼻腔炎手術、突発性難聴を代表とする聴覚の障害が続きます。また、頭頸部悪性腫瘍の手術・放射線治療・化学療法も行っています。

リハビリテーション科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術等 15 86.87 25.32 20.00 85.27
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エタラボンあり 発症前Rankin Scale0-2 - - 15.63 - -
010040x199x0xx 脳出血(JCS10以上) 手術なし - - 22.42 - -
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エタラボンあり 定義副傷病あり 発症前Rankin Scale0-2 - - 17.48 - -
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エタラボンあり 発症前Rankin Scale3-5 - - 19.21 - -

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 27 7.67 9.22 0.00 62.93
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術なし 22 13.95 13.07 22.73 70.73
080110xxxxx0xx 水疱症 手術なし - - 29.17 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術等 - - 4.01 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 - - 7.68 - -
皮膚科は感染症である帯状疱疹や急性膿皮症(蜂窩織炎、丹毒など)の入院治療が多くなっています。難治疾患である水疱症に対しては、様々な全身療法を取り入れ、集約的治療を行っています。また、活動性の高い円形脱毛症に対して、ステロイドパルス療法を積極的に行っています。皮膚腫瘍については、皮膚腫瘍治療センターにおいて皮膚腫瘍の治療を専門的に行っています。各科各部門と連携しながら患者さんにとってより良い医療を提供していきます。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 78 5.29 7.02 0.00 74.32
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺生検 76 2.03 2.50 0.00 70.12
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 71 10.77 11.63 0.00 69.61
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 54 2.09 3.77 0.00 32.80
11012xxx020x0x 尿管結石症 経尿道的尿路結石除去術 33 4.48 5.56 3.03 62.91
泌尿器科では、悪性腫瘍に対する手術療法、特に前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘術を積極的に行っています。また、男性不妊症の原因の一つである精索静脈瘤に対する手術や尿路結石に対する内視鏡的破砕術を多く行っています。

脳卒中科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院
日数(自院)
平均在院
日数(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エタラボンあり 発症前Rankin Scale 0-2 52 18.90 15.63 17.31 72.63
010040x099000x 脳出血(JCS10未満) 手術なし  12 30.58 18.90 50.00 79.67
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし エタラボンあり 定義副傷病あり 発症前Rankin Scale0-2 11 18.09 17.48 18.18 82.18
010060x2990511 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし tPAあり 定義副傷病あり 発症前Rankin Scale0-2 - - 18.10 - -
010060x2990501 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 脳血管疾患リハビリテーションあり  発症前Rankin Scale0-2 - - 16.82 - -
脳卒中科では、急性期の脳卒中(脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作等)の症例が多く、全体の約95%を占めています。特にt-PA静注療法や脳血管内治療を中心とする超急性期治療を積極的に実施しており、2021年度は当科に入院した脳梗塞患者の約19%にあたる43例にt-PA静注療法を施行しています。また、頭部MRI/CTに加え、各種検査(脳血管造影、全身の造影CT、頸部血管エコー、経頭蓋ドップラー(TCD)、経食道心エコー、下肢静脈エコーなど)を駆使して、緻密な脳卒中の診断と専門的治療を行います。さらに、当院は回復期リハビリテーション病棟を有するなど、リハビリテーションの体制も充実しています。リハビリテーション科との連携のもと入院当日または翌日からの超早期リハビリテーションを実施しています。
2016年6月1日よりSCU(Stroke Care Unit)を開設し、現在15床で運用しています。脳卒中科・脳神経外科・リハビリテーション科の医師、看護師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、管理栄養士で構成された脳卒中チームで治療に取り組んでいます。毎朝カンファレンスを行い、入院患者さんひとりひとりについて、治療方針の検証、確認と修正をしています。チーム一丸となって、各職種が全力を尽くし、患者さんにベストな医療を提供しています。
なお当院は回復期リハビリテーション病棟を有しており、当科での急性期治療後にリハビリテーション科に転科転棟し、訓練を継続することも可能です。当科に入院中からリハビリテーション科と情報共有ができているため、スムーズに移行することが可能です。

3. 初発の5大癌のUICC病期分類別ならびに再発患者数

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    〇病期(Stage)分類とは
    病期(Stage)とは、がんの進行の程度を測る基準です。がんの治療法は、病期(Stage)によって異なります。また、病期(Stage)を決める要素はがんの種類によって異なります。病期(Stage)を知ることで、これからの治療の目安について大まかに予測することができるのです。
    病期(Stage)分類の方法は複数あります。この報告では胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌は「UICC(国際対がん連合)病期分類」を、肝癌は「癌取り扱い規約」に基づくがんの病期分類を使っています。
    「UICC(国際対がん連合)病期分類(TNM分類)」の場合は、以下の3つの要素を組み合わせて決められます。
       T因子:がんがどのくらいの大きさになっているか
       N因子:周辺のリンパ節に転移しているか
       M因子:別の臓器への転移はあるか
    これによって病期(Stage)を大きく0~Ⅳ期の5つに分類します。0期が最も広がりが小さく、Ⅳ期に近いほどがんが広がっている「進行がん」です。

  • 患者数は延べ患者数です。(1人の患者さんが一連の治療期間に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入院をカウントします。)
  • 病期(Stage)が0期のものは集計対象外としています。
  • 「版数」は、病期(Stage)分類に使用した「UICC(国際対がん連合)病期分類」及び、各がんの「癌取り扱い規約」の版数を示します。

がんの
部位
初発 再発 病期
分類
基準
(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 53 - - 36 - 22 1 8
大腸癌 28 23 67 46 21 65 1 8
乳癌 50 56 19 11 - 41 1 8
肺癌 72 18 59 147 71 134 1 8
肝癌 10 - - - - 45 2 6

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約



5大がんの入院患者は肺、大腸、乳房、胃、肝臓の順で(図)、とくに進行・再発の肺がんと大腸がんが多くなっています。そのような進行がんの場合も、新規抗がん薬、分子標的薬、および免疫チェックポイント阻害薬、そして支持療法(吐き気止め、鎮痛剤など)の進歩により、平常と変わらない生活を長く続けられるように、病院をあげて取り組んでいます。
胃がん、食道がん、膵臓がん、および胆管がんでは内視鏡的治療、肝臓がんではラジオ波焼灼療法、前立腺がん、胃がん、直腸がん、肺がんではロボット手術も行っています。乳がんは、乳腺専門医、超音波専門医が、診断~手術~薬物療法を一貫して行い、早期発見、早期治療、個別化診療を進めています。肺がんやリンパ腫を中心とした進行期の悪性腫瘍に対しては、がん薬物療法専門医、呼吸器専門医、血液専門医、緩和医療専門医、放射線診断専門医、放射線治療専門医、IVR専門医などの資格をもった専門性の高い医師が担当しています。
また、がん看護専門看護師、がん化学療法認定看護師、がん性疼痛認定看護師、緩和ケア認定看護師、がん薬物療法認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、外来がん治療認定薬剤師、理学療法士、作業療法士、およびソーシャルワーカーとともに、患者さんを中心としたチーム医療を推進しています。

4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等

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    〇日本における肺炎の重要性
    令和3年度の日本の死因の第5位は肺炎です。肺炎は死亡率、発症率ともに高い重要な疾患なのです。

    〇肺炎の分類
    肺炎は発症した時点のその人の生活状況により以下に分類されます。
    ・市中肺炎
    ・医療・介護関連肺炎
    ・院内肺炎
    市中肺炎とは、病院外で日常生活をしていた健常者か、軽度の基礎疾患をもつ患者に発症する肺胞の急性炎症です。他の肺炎と異なり、若者から高齢者まで幅広い年代でみられ、原因微生物も細菌・非定型病原体・ウイルスなど多彩です。
    市中肺炎では、治療方針決定のために5項目からなる重症度分類(A-DROPスコア)を用いて重症度を分類します。

    〇重症度分類(A-DROPスコア)
    Age(年齢)          男性70歳以上、女性75歳以上
    Dehydration(脱水)      BUN 21mg/dL以上または脱水あり
    Respiration           SpO2<=90%(PaO2 60Torr 以下)
    Orientation(意識障害)     意識障害あり
    Pressure(収縮期血圧)    収縮期血圧90 mmHg以下
     ※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。

    軽症:0点の場合。
    中等症:1~2点の場合。
    重症:3点の場合。
    超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
    不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。


  • 成人(18歳以上)の市中肺炎について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しました。
  • 入院の契機となった傷病名および最も医療資源を投入した傷病名に対する ICD10 コードが J13 ~J18$ で始まるものに限定します。
  • 重症度分類は、A-DROP スコアを用います。重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類します。重症度の計算には年齢・性別因子を考慮しています。
重症度 患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 6 9.17 68.00
中等症 54 16.76 81.57
重症 13 18.62 80.08
超重症 15 25.07 82.60
不明
当院では、重症度が「中等症」の症例が最も多くなっています。これは、男性70歳以上・女性75歳以上の場合に1点獲得するため、高齢の症例が増えるにつれ中等度の症例が増えやすくなっていることが考えられます。中等度54人のうち33人(61.1%)は年齢だけが条件に該当し中等症となっています。また表の患者数全体のうち高齢者(男性70歳以上・女性75歳以上)の占める割合は85.2%です。高齢者は基礎疾患、合併症を持っていることが多いため、高齢者の割合が高い場合は平均在院日数が長くなる傾向にあります。


5. 脳梗塞の患者数等

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  • 脳梗塞の発症時期別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示します。
ICD10 傷病名 発症日
から
患者数 平均在院
日数
平均年齢 転院率
I63$ 脳梗塞 3日以内 204 41.3 77.3 28.43
その他 26 47.1 71.8 34.62
当院のI63$ 脳梗塞患者230人のうち204人(88.7%)が、発症後3日以内に入院し治療が開始されています。当院は回復期リハビリテーション病棟を有しており、脳梗塞治療後、早期からリハビリテーションを受けることができます。脳梗塞患者230人のうち48人(20.9%)が、回復期リハビリテーション病棟でリハビリ訓練を受けたのち退院している結果、平均在院日数が少し長くなっています。また、他院へ転院した割合は230人のうち67人(29.1%)です。これからも、地域の医療機関との連携をより進めていきたいと思います。


6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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  • 集計対象: 主たる手術、または点数の高い手術(連番1の手術)
  • 対象外: 輸血関連、軽微な手術(創傷処理、皮膚切開、非観血的整復術、徒手整復術等)
  • 転院率の計算式: 転院患者数÷全退院患者数×100

内科

     
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 177 0.06 1.04 0.00 68.23 下部内視鏡的
粘膜切除術
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 105 0.65 6.16 5.71 74.50
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 53 0.64 4.89 3.77 73.06
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 51 0.35 5.08 13.73 80.04
K654 内視鏡的消化管止血術 33 1.03 8.88 9.09 73.97
内科で最も多く行われている手術は昨年同様消化器内視鏡手術でした。これは入院患者の内訳と関連し、大腸ポリープの入院患者が多いため大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多くなります。次いで胆膵疾患の入院患者が多いため、2位から4位までは胆膵系の内視鏡手術が多くなります。この3つの中で結石治療である内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う)は高齢者に多い治療困難な結石に対して行う手術ですが、術前日数、術後日数が短いという特徴があります。これは高齢者の総胆管結石患者に対して、速やかに治療を行い偶発症なくすぐに転院できる状況があるからです。内視鏡センターには通常の内視鏡に加えて経口胆道鏡、超音波内視鏡、バルーン内視鏡など特殊な内視鏡も揃えていて高度な胆膵内視鏡手術に対応が可能です。また、昨年は止血術が多く、上位に上がってきませんでしたが胃がんや大腸がんの内視鏡手術も数多く行っています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 84 1.04 7.17 5.95 68.32 腹腔鏡下胆のう
摘出術
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 70 2.09 12.73 2.86 74.53 四肢の血管拡張術
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 70 2.36 16.64 15.71 74.30
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 58 1.91 5.79 8.62 71.10
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 48 3.29 14.23 4.17 71.71 肺手術予定表
当院の消化器外科分野では、急性胆嚢炎や急性虫垂炎など緊急手術に対する腹腔鏡手術が増加しています。血管外科分野においては、末梢動脈閉塞性疾患に対する血管拡張術やバイパス術も近年著明に増えています。呼吸器外科分野では、肺がんに対する胸腔鏡手術が増加傾向にあります。これらの広範な領域にまたがる外科疾患に対して、迅速に対応できる専門医や医療スタッフによる安全なチーム医療を積極的に進めています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 64 1.02 13.03 4.69 26.02
K0811 人工骨頭挿入術(股) 50 1.70 33.60 48.00 83.48
K0821 人工関節置換術(膝) 43 1.09 24.44 16.28 71.14 人工膝関節
全置換術
K065-21 関節鏡下関節内異物(挿入物を含む)除去術(膝) 40 1.05 1.05 0.00 31.73
K069-3 関節鏡下半月板縫合術 38 1.05 7.89 2.63 30.79 半月板損傷手術
整形外科は、スポーツ傷害、骨折、関節障害の治療を得意としています。特に関節鏡手術である靱帯再建、半月縫合、軟骨移植手術を伴う「肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等」の症例は群を抜いて多くなっています。また、高齢者の外傷・骨折の頻度も高く、特に大腿骨頸部・転子部骨折に対する人工骨頭置換術や骨接合術を多く施行しております。また、同じく上腕骨骨折や鎖骨骨折なども含め、受傷後直ちに入院手術を行い、手術後早期からは退院、自立支援のリハビリテーションを受けることができます。さらには、重度関節内骨折や骨盤・寛骨臼骨折、偽関節や骨髄炎など難治性骨折に対しても高度な専門治療を行っています。また、変形性膝関節症に対しては、人工関節の開発に携わっていることから、積極的に手術支援コンピューターナビゲーションを用いて、患者さん個人に合わせたオーダーメイド医療を提供しております。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 30 1.77 13.37 26.67 74.43 慢性硬膜下血腫
穿頭術
K1781 脳血管内手術(1箇所) 18 0.67 55.22 11.11 64.50 脳動脈瘤
コイル塞栓術
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 18 1.50 12.00 16.67 67.06 腰椎椎弓
形成術
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 13 1.31 5.62 0.00 74.31
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 12 1.67 14.25 0.00 72.17
1.頭部外傷について:
当院では24時間365日救急医療を実践しております。その結果、当科の特徴として、軽微な頭部打撲から、重症の急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折など、頭部の外傷が多くの患者さんの割合を占めており、迅速かつ、高度な医療体制で良好な結果が得られています。
2.脳動脈瘤の治療について:
脳動脈瘤は、破裂してくも膜下出血で見つかる場合と何かの理由で偶然動脈瘤が見つかる場合があります。治療は、開頭クリッピング術とカテーテルによる血管内治療(コイル塞栓術など)が挙げられますが、当院では、この療法の治療をいつでも行える体制をとっており、現在、この疾患の患者数が急増しています。また、この病気を支える脳神経外科医師の中で、25年以上の経験医師は3名、脳卒中専門医は2名、脳血管内治療指導医は1名の体制であり、県内有数の治療体制を自負しています。
3.脊椎・脊髄の治療について:
脳神経外科は、脳以外の神経外科を担当する科でもあります。当院では、現在患者数が急増している首、肩、腰のしびれ、痛みを専門とする脳神経外科、脊椎・脊髄指導医を有し、中四国地方でも有数の症例数を誇っています。腰部脊柱管狭窄症、脊椎すべり症、頸椎損傷、その他多くの首、肩、腰の痛みやしびれの治療に力を注いでいます。

産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 16 1.19 6.06 0.00 40.75
K879 子宮悪性腫瘍手術 12 1.25 10.42 8.33 66.75
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 10 3.00 18.20 0.00 65.80
K867 子宮頸部(腟部)切除術 10 1.00 1.00 0.00 44.40
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 - - - - -
各種悪性腫瘍に対する根治手術、また良性疾患に対する開腹、腹腔鏡下手術を行っています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 164 0.11 1.82 1.83 75.16 白内障手術
K2423 斜視手術(前転法と後転法) 123 0.95 1.02 0.00 15.74 成人斜視手術
小児斜視手術
K2422 斜視手術(後転法) 21 0.86 1.00 0.00 11.43
K2424 斜視手術(斜筋手術) 15 1.07 1.00 0.00 14.27
K2421 斜視手術(前転法) 10 0.90 1.00 0.00 25.40
斜視手術の半数は外来手術となっており、これを合わせると令和3年度は460件の斜視手術を実施しました。入院が必要な場合(主に12歳以下)は、2泊3日です。白内障手術は、片目のみの手術で、日帰りから2泊3日までご都合に合わせて選択できます。

耳鼻咽喉・頭頸部外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 68 1.15 7.35 0.00 29.01 両口蓋扁桃
摘出術

小児両口蓋扁桃
摘出術
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 22 1.45 5.36 0.00 52.73 鼻・副鼻腔
内視鏡的手術
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 19 1.74 5.47 0.00 56.47
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 16 1.44 4.69 0.00 35.81
K3932 喉頭腫瘍摘出術(直達鏡) 13 3.92 5.85 7.69 63.23
慢性扁桃炎は、年に何度も咽頭痛と発熱を繰り返します。年に4回以上症状が出て生活に支障がある場合は口蓋扁桃摘出術を行います。慢性副鼻腔炎は、膿性鼻汁、鼻閉、後鼻漏、嗅覚障害、頭痛などの症状が出現します。少量のマクロライド系抗菌薬などの保存的治療でかなり軽快しますが、鼻茸が充満していたり高度な病変の場合は、内視鏡的鼻・副鼻腔手術を行います。複数の副鼻腔を開放する3型が最も多く、次いで全ての副鼻腔を開放する4型が多くなっています。2021年は扁桃周囲膿瘍で入院する患者さんが増加し、切開排膿術を行っています。ビデオラリンゴスコープ(直達鏡)下の喉頭腫瘍摘出術も増加し、その他耳下腺腫瘍、上顎洞がん、口腔がん、咽頭がんの手術も行っています。

リハビリテーション科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 10 1.30 88.00 10.00 84.50
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む)
K0811 人工骨頭挿入術(股)
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
K0731 関節内骨折観血的手術(股)
   

放射線科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 10 0.70 3.10 0.00 65.50
K6172 下肢静脈瘤手術(硬化療法) - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) - - - - -
放射線科ではIVR外来を週2回行っています。院内他科や院外からの紹介で血管造影やCTガイド下の手技をご依頼いただいています。IVR(Interventional radiology:インターベンショナルラジオロジー)とは、画像誘導下に行う低侵襲な検査や治療を意味しており、CVポート留置、腫瘍生検、血管造影・塞栓術、膿瘍ドレナージなどの多彩な手技が行われています。放射線科入院としては動脈塞栓術が多く、脾動脈瘤、腎動脈瘤、膵十二指腸動脈瘤の塞栓術や腹部大動脈瘤ステント留置術後のエンドリーク塞栓術が多く行われていました。頭部や心臓・大動脈以外の検査や治療を広く受け付けています。

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 11 0.64 5.18 0.00 79.45 皮膚腫瘍摘出術
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満)
K0872 断端形成術(骨形成を要する)(その他)
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満)
K0053 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径4cm以上)
専門医が手術を行っています。皮膚悪性腫瘍では、有棘細胞癌や基底細胞癌、ボーエン病などの手術を多く行っています。皮膚良性疾患では、色素性母斑、脂肪腫、表皮嚢腫の摘出などを行っています。皮膚腫瘍治療センターを併設し、放射線科や外科系各科、腫瘍内科をはじめ、外来・病棟・手術室看護師、がん看護の専任看護師と連携し、より安全で満足度の高い治療を目指しています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 77 0.96 4.10 0.00 74.32 経尿道的膀胱
腫瘍切除術
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 71 1.18 8.59 0.00 69.61 ロボット支援
前立腺全摘除術
K834-3 顕微鏡下精索静脈瘤手術 48 0.06 0.94 0.00 30.96
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 39 0.85 5.95 5.13 71.62
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 33 0.97 2.52 3.03 62.91 経尿道的
尿管結石破砕術
泌尿器科では、悪性腫瘍に対する手術療法、特に前立腺癌に対するロボット支援前立腺全摘術を積極的に行っています。また、男性不妊症の原因の一つである精索静脈瘤に対する手術や尿路結石に対する内視鏡的破砕術を多く行っています。

7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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  • この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症について、医療資源を最も投入した傷病名と入院契機病名(入院のきっかけとなった傷病) が同じかどうかを区別して対象患者数と発症率を示したものです。
  • 入院契機病名と「同一」「異なる」の意味するところ
    入院の契機となった病名と、最も治療を要した傷病名が「同一」か「異なる」かを表しています。
    傷病名(最も治療を要した病名)が敗血症を例に説明します。「同一」は、入院した時に敗血症と診断されている患者さんであり、「異なる」とは、入院した時には別の病気で入院したが、その後に敗血症をおこし、元々の病気の治療よりも敗血症の治療に時間と医療費を要するような場合を表します。
  • 発生率=(各傷病名別症例数÷当院の全退院患者数) ×100
DPC
傷 病 名
入院契機
症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 29 0.37
異なる 20 0.25
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
◇敗血症
敗血症は、感染によって発症した全身性炎症反応症候群です。敗血症の原因は感染症です。感染症の原因として細菌、ウイルス、寄生虫、真菌などが挙げられます。敗血症を発症しやすいのは、糖尿病、悪性腫瘍、肝硬変、腎不全、ステロイドや免疫抑制剤内服等のある人、それに高齢者です。
敗血症のうち29症例は、入院前に敗血症を発症しその治療目的で入院しています。
当院では、敗血症の予防のため、医療スタッフの手洗いやマスクの着用等の感染対策に力を注いでいます。

◇手術・処置等の合併症
手術・処置の合併症は、手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。
入院契機病名と「同一」の発生率が高く見えますが、これは医療資源を最も投入した傷病名と入院契機病名が同一である症例が多いということです。つまり、入院中に手術・処置の合併症が発生したのではなく、初めから手術・処置などの合併症の治療を目的として当院に入院され、予定通り入院中にその治療を受けた患者さんがほとんどであるということです。


更新履歴

2022/10/1    病院指標を公開いたしました

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