今回は、肺がんを早期に見つけるための新しい方法、低線量CT検診についてお伝えします。肺がんは、早期段階ではなかなか気付かないことが多い病気ですが、早く見つけてすぐに治療を始めることが、一人でも多くの命を救うためにはとても重要です。
これまで肺がん検診には胸部X線検査が主に用いられてきましたが、近年の研究では、新しい方法である低線量CT検診が早期発見に有効であることが分かっています。例えば、アメリカのある研究では、55歳から74歳までの、特に一年間に30箱以上タバコを吸う方々に対して研究した結果、低線量CT検査を行ったグループでは、胸部X線検査のみを行ったグループよりも肺がんで亡くなる人が20%少なかったのです。ヨーロッパでも同様の研究が行われ、特に50~74歳の重喫煙者においては、肺がんで亡くなる 人を24%少なくすることができました。
「CT検査というと、放射線を浴びるのでは?」と心配されるかもしれません。しかし、「低線量」の名前の通り、この検査では少ない放射線しか使われません。そのため、放射線被曝への心配はほとんどなく、手軽に検査を受けることが出来て、その効果は証明されています。
肺がん早期発見、早期治療のために、多くの量を喫煙したことがある、アスベストを扱う仕事をしていた、など肺がんのリスクになる要因をお持ちの方は特に、低線量肺がんCT検診受診をご検討ください。