当院の胆膵疾患の診療と内視鏡について

当院の胆膵疾患の診療と内視鏡について

消化器内科は大きな病院であればどこでもあり、診療内容も大きな違いがないと思われがちです。ただし、消化器と一言で言っても胃や腸といった消化管、肝臓、そして胆膵と大きく3つに分かれていて、そのうち消化管診療、胆膵診療では内視鏡検査治療が欠かせません。特に胆膵領域で用いる内視鏡は、胃や大腸のそれと比較すると、種類も多く、形が大きく異なり専門的にトレーニングを受けた医師でなければ使いこなすのはなかなか大変です(図)。例えば結石による胆管炎が起こった場合、速やかに短時間で内視鏡で治療できれば患者さんの負担は軽く早期退院が可能となります。結石治療の平均在院日数は病院指標で検索できるので、他院と比べれば当院の短さがわかっていただけると思います。

また、がんの中でも最も治療成績が悪い膵臓がんでは、早期発見が重要となります。超早期発見で重要なのは膵管の変化を見つけてもらうことから始まります。がんがまだ見えない段階でも、膵管が細くなったり拡張したり、あるいは袋状になっていたりすれば、超音波内視鏡の出番となります。これもきちんと使いこなせる病院は市内にまだまだ少ないと思います。この超音波内視鏡と膵液細胞診を組み合わせると、粘膜の中のがんや0.5mmの微小浸潤がんも発見することができます。また穿刺用の超音波内視鏡を用いれば膵臓の組織を採取することも可能で、5mmの大きさのがんでも穿刺できます。

さらに、通常の内視鏡では治療できない患者さんでも当院ではすぐに治療可能です。例えば、胃や胆管や膵臓の手術を行った患者さんでは、風船のついた内視鏡で胆管や膵管がつながった小腸の奥まで進み結石の治療を行ったり、超音波内鏡内視鏡を用いて胃から肝臓を通し、ステント(パイプ)を入れたり、あるいはディスポーザブルの細い内視鏡を用いて胆管内や膵管内の治療を行ったりと様々なことが可能となっています。

このように当院では、胆膵領域に関して様々な内視鏡を駆使して高難度な検査治療を行い、患者さんの体の負担軽減に努めています。

執筆者

内科 部長  河本 博文
専門医・指導医 日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医 /日本消化器病学会専門医・指導医 /日本消化器内視鏡学会専門医・指導医/日本胆道学会指導医/日本内科学会JMECCインストラクター/日本救急医学会ICLSコースインストラクター・ICLSコースディレクター・BLSコースディレクター/日本がん治療認定医機構がん治療認定医
専門領域・得意分野 膵胆内視鏡診断・治療(ERCP関連及びIV-EUS)/IVR・膵胆道学の集学的治療

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