皆さんは『半月版』って知っていますか。「あの、怪我した時に膝が痛くなるやつね」「年とると痛くなるところでしょう?」という感じでしょうか。
『半月板』は膝関節の「大腿骨(ふともも)と脛骨(すね)」の間にあるアルファベットCの形で、くさび型の厚みを持った組織です。大腿骨関節面の形状は球状様になっています。『半月板』は内側と外側に位置して、その関節面が平らな脛骨関節面でも安定化できるように、またクッションの役割(ショック吸収と体重緩衝)としても働いています。
ですので、膝がひどくひねられた場合には『半月板』が傷つきます。スポーツで膝を過度に捻挫した場合、また年齢に伴って『半月板』変性が伴い傷つきやすくなった場合には軽いひねりや正座などの深屈曲で断裂が生じます。
『半月板』断裂の症状は、膝を曲げ伸ばしした時の痛みや引っかかり感、関節の腫れ、動きの制限(いわゆるロッキング)になります。半月板断裂は放っておくと、膝関節軟骨への負担が強くなり、軟骨が消失して関節が変形する変形性膝関節症につながります。リハビリや痛み止めなどで症状が良くなることがありますが、断裂損傷部位や切れ方によっては自己修復が難しい場合があります。その場合には関節鏡を使った低侵襲な手術方法が必要になります。何か気になったり、困ったことがあれば外来受診をしていただき、MRI検査をすることによって、今後の治療方法を選択しましょう。
(参考資料)
31.円板状半月板,スポーツ損傷シリーズ,日本整形外科スポーツ医学会広報委員会
半月「板」損傷,整形外科シリーズ11,日本整形外科学会