糖尿病と皮膚

更新日:2021/05/27

糖尿病と皮膚

   初期の糖尿病では皮膚症状はあまり発症しませんが、血糖コントロールが悪くなると様々な皮膚トラブルが発生します。
 一番多いのは、足白癬すなわち水虫です。健康な方でも日本人の5人に1人は水虫を持っていると言われていますが、糖尿病が長年続くと、身体の免疫力が落ち水虫をはじめとする様々な感染症を起こしやすくなります。逆に、水虫や細菌感染症をきっかけに受診し、糖尿病が発覚する場合もあります。
 放っておくと水虫だけでは済まなくなるため、糖尿病の患者さんには合併症について理解していただく必要があります。水虫以外では、ばい菌(細菌)が皮膚の中に入り込んで発症する蜂窩織炎(熱が出たり、足を中心に赤く腫れて痛くて歩けなくなったりする)、主に足が壊死(腐ってしまう)になる糖尿病性壊疽、人食いバクテリア(壊死性筋膜炎)という細菌感染症の一種で急速に病変が広がり、対応が遅れると命に関わる病気があり、糖尿病の方は特に注意が必要であるため、知っておいていただきたい感染症です。
 治療(血糖コントロールや食事療法)をきちんとしていれば、合併症を引き起こすことは多くありません。
 川崎医科大学総合医療センターでは、糖尿病に伴う合併症を少なくする、なるべく早期に発見することを目的とし、フットケア外来を実施しています。不安があれば治療し、問題がなければ良好な状態を維持するためにケアをしていきます。糖尿病に限らず、少しでも足に気になることがある方は、軽いうちに受診してください。

執筆者

皮膚科 副部長  山本 剛伸
専門医・指導医 日本皮膚科学会皮膚科専門医
専門領域・得意分野 皮膚科一般、皮膚腫瘍、感染症(全般)、乾癬

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