動脈瘤は、昨日まで元気だった人が突然死する、非常に怖い病気です(静脈瘤は、絶対死に至りませんので、瘤であっても動脈と静脈では天と地ほど違います)。
動脈瘤の多くは、破裂するまで症状がほとんどなく、定期的な画像診断、すなわちCTや超音波検査を受ける事が極めて重要です。
動脈瘤で発生頻度が高いのは大動脈です。一般的に、胸部大動脈瘤では最も太い箇所が6cm、腹部大動脈瘤では4.5cm~5cmを越えてしまうと破裂に注意が必要です。さらに、半年で5mm以上の瘤拡大があったり、形が嚢状の場合は、破裂しやすい状態です。
治療は、以前は人工血管置換術のみでしたが、最近ではステントグラフト内挿術という低侵襲治療が出来るようになり、ハイリスクや高齢者の患者さんにも安全に治療が出来るようになりました。動脈瘤を認めたら、早めに血管外科を受診してください。