胆石とは、胆管(肝臓で作られた胆汁を十二指腸へ流す管)もしくは胆のう(胆汁をためる袋)に結石ができる疾患です。そして、胆石によって胆汁の流れが悪くなると腹痛や発熱といった症状が出て、胆管炎、胆のう炎を引き起こします。
昔は、細菌感染によるビリルビンカルシウム結石が多かったのですが、栄養状態がよくなった現代はコレステロールが結石化したものがほとんどです。また、脂肪食・高カロリー食の摂り過ぎだけでなく体質によっても結石の出来やすさは変わってきます。
初期症状は心窩部痛(胃の痛み)で、食後に胆汁の量が増え、それによって結石が胆のうの出口に引っかかり中の圧が上がって痛みとして感じるということです。結石がはずれれば痛みは治まりますが、引っかかったまま放っておくと細菌が増え炎症が強くなります。抗生剤で良くなることもありますが、良くならない場合は緊急手術あるいは内視鏡を使って結石を取り除く治療になります。
胆管結石と胆のう結石では治療法は違っていて、胆のうの場合は基本的には外科手術で胆のうを切除します。そうすることで治療にもなるし再発もなくなります。「胆のうをとって大丈夫ですか?」とよく聞かれますが、大人であれば心配ありません。胆管の場合は、切除も可能ですが、胆管に傷をつけると狭窄したり胆汁が漏れたりといったリスクが高くなるため、内視鏡を使っての治療になります。まず、口から内視鏡を入れて胆管の出口の十二指腸の乳頭部というところを電気メスで切開して、そこからバスケットカテーテルとかバルーンカテーテルといった道具を使って結石を取り出します。手術時間は胆のう切除の場合は全身麻酔下で1~2時間、胆管の場合は簡単なものであると10分程度、難しい場合は1時間くらいかかったりすることもあります。
胆のうに結石ができると必ず胆のう炎になるのかというと、そういうわけでもありません。一生の間に結石ができて、そのうちなんらかの治療が必要になるのは半分といわれています。結石を作らないことが一番の予防ですので、元となるコレステロールを増やさないよう高脂肪食を控え運動をすることで日頃から気をつけていきましょう。