「肩が痛い」「膝が抜けたような感じ」「肘が痛くて伸びない」「足首が痛む」「あしがしびれる」
これらの症状に対して、当院の整形外科は関節鏡・脊椎内視鏡手術を行っているのはご存知でしょうか。
関節鏡とは胃カメラのように細い管の先にレンズとライトがついたもので、これで関節内をのぞきながら診察し、治療をします。
通常の手術のように患部を大きく切開する必要がないため、負担が少ないのが特徴です。痛みのある関節の周囲に約5mm程度の皮膚切開を数ヶ所作り、片方から関節鏡を入れて観察し、もう片方から鏡視下手術用の器具を入れて手術処置を行います。傷が小さいために術後の回復も早く低侵襲な手術であると考えられています。早い復帰が求められるスポーツ外傷である膝の靱帯や半月板損傷、肩の脱臼、腱板断裂、肘の骨や軟骨がはがれる関節遊離体などの治療に使われますが、今では骨折の治療や、椎間板ヘルニアや腰椎狭窄症に対しても施行しています。
昨年(2015年)1年間に行った低侵襲の関節鏡・脊椎内視鏡手術は中四国最多の250例でした。整形外科で診断と治療が必要な患者さんの病態は様々ですので、残念ながら皆さんが関節鏡・脊椎内視鏡手術が適応になることはありません。いかなる場合でも、我々は大学病院の特性を生かし、コンピューターシミュレーションを用いた関節バイオメカニクス、画像解析、生体材料の開発、分子生物学的なアプローチなどの知識を応用して、患者さんに応じた「低侵襲手術、骨・関節・筋肉・靭帯の解剖学的修復と運動器機能の再獲得、早期完全復帰」ができるように最善を尽くしています。