こんな見え方には要注意! ~眼科で見つかる色々な病気~

更新日:2016/11/25

こんな見え方には要注意! ~眼科で見つかる色々な病気~

外界からの情報の約80%は眼から入ると言われています。そのため「見え方」に少しでも変化が生じればすぐに分かるはずと思われるでしょうし、実際そういう場合が多いのですが、中には片眼が失明に近いほど悪くなっていても気付かない患者さんもおられます。なぜなら、片眼だけ悪くても良い方の眼がカバーして自覚症状を隠してしまう場合があるからです。また、片眼が見えにくいと思っていたけれど、実際には両眼の視野に異常が見つかることもあります。
今回は、そんな見え方の異常について焦点を絞りお話させていただきます。


まず物が見える仕組みについて簡単に説明します。
よく眼はカメラと同様に例えられますが、実際は眼球内の網膜で感知した光を電気信号に変え、視神経を介して脳の後頭葉にある一次視覚野(以下、視覚野)に情報を伝達し、その後脳内の様々な部位で処理をして物の色、形、動きなどを瞬時に認識しています(脳で見ている)。その際、それぞれの眼からの神経線維は、視交叉という所で互いに約半分ずつ交叉しますので、左右それぞれの視覚野には、右眼からの約半分と左眼からの約半分の神経線維が合わさって情報が伝わります。つまり、視交叉から後ろの部分に何か病気が起こると、両眼の見え方に影響が及ぶことがおわかりになると思います。
例外はもちろんありますが、一般的に片眼だけに生じる症状があれば眼球自体の病気を考え、両眼性に生じる視野異常などは眼球より後ろの頭の中の病気を考えます。


執筆者

眼科 副部長  古瀨 尚
専門医・指導医 医学博士/日本眼科学会認定眼科専門医/日本神経眼科学会神経眼科上級相談医/ボツリヌス療法施行資格認定医
専門領域・得意分野 斜視・弱視、神経眼科・眼科一般・白内障手術

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