中高年の斜視について

更新日:2025/07/15

中高年の斜視について

  中高年で見られる斜視は主に3種類あります。1つは 糖尿病や高血圧等による微小循環障害で、目を動かす神 経が部分的に麻痺する「麻痺性斜視」です。運転中など に突然複視を自覚し、MRIでは脳に異常がないため、その後眼科を受診するケースが多いですが、概ね8割以上の患者さんは3〜4か月程度で自然に改善します。
 次は幼少期からの眼位ずれが加齢と共に進行して表に出てくる タイプの斜視です。斜視の角度や複視の症状が強ければ高齢者でも手術で治すことは可能です。
 そして最近注目されているのが「加齢性斜視(サギン グアイ症候群)」です。眼球を支える結合組織「プリー」が加齢で弛緩・断裂するために、眼球周りの外眼筋が垂れ下がることで生じます。プリーの傷みはMRIで確認でき、60歳以上の成人斜視の約24%を占めると報告されています。プリーの劣化の影響で内斜視や外方回旋を伴う上下 斜視になり、突然複視を自覚します。脳には異常なく、視線のずれも軽微で目立ちませんので原因不明としてそのままにされている場合もありますが、常にダブって見えるご本人にとっては苦痛であり深刻な問題です。治療としては、光を屈折させるプリズム眼鏡を掛けて正面での複視を無くす方法と、斜視手術で眼の筋肉の位置を調整し視線のずれを治す方法がありますので、お困りの方がおられましたら眼科医にご相談ください。

執筆者

眼科 副部長  古瀨 尚
専門医・指導医 医学博士/日本眼科学会認定眼科専門医/日本神経眼科学会神経眼科上級相談医/ボツリヌス療法施行資格認定医
専門領域・得意分野 斜視・弱視、神経眼科・眼科一般・白内障手術

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