本邦におけるがん発症者数は2019年度には年間100万人を超え、その後も年々増加しております。生涯がん罹患リスクは男女ともに50%以上となっており、就労可能年齢である20歳から64歳までの働き盛り世代のがん患者数は全体の1/3を占めております。今後もがん患者数の増加が見込まれており、2035年には年間約120万人近くまで発症数が増加すると予測されております。
私の専門である婦人科がんは、全女性がん患者数の約10%を占めております。子宮頸がんの好発年齢は40歳代、子宮体がんおよび卵巣がんの好発年齢は50歳代であり、比較的若年で発症する症例も多く認められます。また治療完了後5年以上生存される方は全体の約2/3を占めており、婦人科がんはがんサバイバーの多い疾患の一つでございます。がん治療後には治療前とは異なる体力面・精神面・経済面などの課題に直面されることがあり、就労の問題も重要な課題の一つとなっております。
がんサバイバーの就労支援につきましては、2012年に策定された第2期がん対策推進基本計画において、がん患者の就労を含む社会的支援が新たに盛り込まれました。2016年2月には厚生労働省より「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」が作成され、同年12月にはがん対策基本法が改正されました。さらに2023年3月には第4期がん対策推進基本計画が新たに策定され、現在遂行されております。
がん対策基本法の改正前後における復職状況の変化について、私が以前岡山大学に勤務していた際、がん治療を行った患者の皆様にアンケート調査を実施し、その結果、非正規雇用者の職場復帰率は54%から74%、正社員は79%から87%、公務員は89%から91%へと、いずれの職種においても復職率の向上が認められました。これらの結果からがん対策基本法の改正により職場復帰率が向上し、年々がんサバイバーが復職しやすい環境へと改善していることが示唆されました。国の制度も年々整備が
がん対策基本法の改正前後における復職状況の変化について、私が以前岡山大学に勤務していた際、がん治療を行った患者の皆様にアンケート調査を実施し、その結果、非正規雇用者の職場復帰率は54%から74%、正社員は79%から87%、公務員は89%から91%へと、いずれの職種においても復職率の向上が認められました。これらの結果からがん対策基本法の改正により職場復帰率が向上し、年々がんサバイバーが復職しやすい環境へと改善していることが示唆されました。国の制度も年々整備が
進み、がんサバイバーとなられた後も働きやすい環境が整いつつございます。患者の皆様が、がん罹患前と同様の環境の中で安心してがんと共に生活し、就労を継続できるようにするためには、医療従事者のみならず、社会全体が就労支援の必要性を認識し、多職種と連携しながら支援に取り組むことが重要であると強く感じております。

















