よくわかる脳卒中のお話・・・その8

脳卒中とめまい

めまいといっても、単に疲労によるものから脳卒中などの重篤な疾病の症状として出現するものまで、その原因は多岐にわたっています。

めまいで悩んでいる方は意外と多いと思いますが、めまいという言葉の定義自体があいまいで、医療機関で病状を説明する際に戸惑う方が大勢いらっしゃいます。

めまいには「ぐるぐる回るような感じ」の回転性めまい、「ふらふらする、ふわふわする、酒に酔った感じ」の動揺性めまいなど、さまざまな症状が含まれています。

めまいを疾患別に見ると、脳卒中などによって起きる中枢性のものと、他の原因によって起こるものに分けられます。めまいを考える上で、耳の症状の有無が問題となります。

耳鳴り、難聴や耳がふさがった感じなどの症状を伴う場合は、内耳(耳の一番奥の部分)の病気を疑います。この場合の多くは回転性めまいが出現します。

またこれらの症状がない場合には脳神経の病気である可能性が考えられます。この際は動揺性めまいの訴えが多く見られます。


実際には、高齢者のめまいで多いのは身体がふらつくめまいですが、ほとんどが中枢性以外の原因によるものであり、命に関わることはありません。

その他にも、立ち上がったときに血圧が下がって、くらっとするのは起立性低血圧です。症状はすぐに治まり、動脈硬化など循環障害が増える高齢者の方に多いといわれています。

体を傾けるなど、ある特定の姿勢を取ったときに起こるのは頭位めまいといいます。原因ははっきりしませんが、姿勢に慣れる訓練を行なうと、症状が治まります。

薬剤性のめまいも少なくありません。高血圧の治療で飲む降圧剤や、抗生物質の一部にはめまいを起こす副作用があり、めまいを危険信号と考えて、薬を変えたり減らしたりする必要があります。

危険なサインは見逃さないように、心配なことがあれば専門医にご相談ください。




次回は、手足のしびれについて、詳しくご説明します。

執筆者

脳卒中科 副部長  井上 剛
専門医・指導医 日本内科学会認定内科医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
専門領域・得意分野 神経疾患全般/脳卒中全般

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