日常生活で「手足のしびれ」という言葉は、二つの意味を含んでいます。ひとつは「よくわかる脳卒中のお話その7」でお話した「(手足の)麻痺」という意味で、もうひとつは「皮膚を触っても鈍い感じがする」や「手足がジンジン、ピリピリする」というように皮膚の感覚がおかしくなるという意味です。
ここでは手足のしびれは手足の感覚の異常を指すことにします。
私たち脳卒中科の外来には手足の痺れを訴える患者さんが多く来られます。
レントゲン写真や頭部CT/MRI検査などを行なうと、しびれの原因は、頸や腰の骨の変形で起こる脊椎症や椎間板ヘルニアのように背骨に異常がある場合や、糖尿病の患者さんに見られるような、手足の神経そのものに異常がある場合も多くあります。
神経を圧迫している背骨をコルセットで整えたり、血糖を低下させる治療をすると、しびれが和らぐことがあります。徐々に手足の痺れが起こってくる場合は、一度整形外科や神経内科を受診することをお勧めします。