よくわかる脳卒中のお話・・・その10

更新日:2017/10/16

頭痛について

頭痛は「症候性頭痛」「機能性頭痛」に分けられます。症候性頭痛は脳や身体に原因があり、そのことで起こるものです。この場合クモ膜下出血や脳腫瘍など、命に危険がある病気が潜んでいることがあります。しかしながら、実際の頭痛の大半は命に別状のない機能性のものです。今回は機能性頭痛に焦点を当てます。


〇偏頭痛
機能性頭痛は、おおまかに偏頭痛緊張型頭痛に分類されます。偏頭痛は頭の血管が拡張し、血管の周りの神経が刺激されることにより引き起こされます。

ストレス、ホルモンなどが誘引となりますが、具体的にはストレスから開放されたとき、女性の場合は生理の前後のホルモンが急激に変化する時期によく見られます。

発作的にずきずきと脈打つような、日常生活を妨げるほどの痛みが4時間くらい、ひどいときには72時間ものあいだ、断続的に続き、時には吐き気や嘔吐も伴います。

〇緊張型頭痛
緊張型頭痛は、精神的ストレスや、悪い姿勢などによる筋肉のストレスが誘引となり、頭蓋を取り巻く近位くの持続的収縮によって引き起こされます。

多くの場合肩こりを伴い、いつとはなしにだらだらと持続し、後頭部から首筋、もしくは頭全体がはちまき様に痛みます。圧迫感、頭重感が特徴で、軽度から中等度の痛みが持続します。

対処法
自宅でできる対処法としては、偏頭痛の場合は冷湿布、冷シャワーなどで冷やし、安静に。緊張型頭痛の場合は逆にお風呂や温湿布などで温め、筋肉をほぐすための軽い運動が効果的です。

対処法を間違えると逆に症状を悪化させるので注意してください。いずれにしても、自分の頭痛がどのタイプに当てはまるのか検討することが大切です。不安なときは専門医に相談してください。



次回は、症候性頭痛について、詳しくご説明します。

執筆者

脳卒中科 副部長  井上 剛
専門医・指導医 日本内科学会認定内科医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医/脳血栓回収療法実施医
専門領域・得意分野 神経疾患全般/脳卒中全般

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