“親知らず”についてのよくある質問

更新日:2019/10/02

“親知らず”についてのよくある質問

1. いつ頃生えますか
親知らずとは、第三大臼歯ともいわれます。親が知らない間に生えるという意味から親知らずと言われます。生える時期はおおむね10代後半から20代前半です。一般的には上下左右4本あるはずですが、あごの骨の中に埋まっている状態であったり、斜めになっていたりして、正常に生えていないこともしばしばみられます。口全体のレントゲン写真を撮ると偶然見つかることも多いのです。
 

2. 抜かないといけないのですか
 正常方向に生えていたり、かみ合わせていたりするように、うまく機能している場合は、基本的に抜歯する必要はありません。また完全に埋まっていて、周りの組織に悪い影響を与えていない(はれていない、痛みもない)という場合でも抜歯する必要はありません。しかしながら、親知らずは一番奥に生えている、あるいは生えきっていないため、歯ブラシが届きづらく、虫歯になったり歯茎がはれたりする(智歯周囲炎)ことがしばしばあります。中には顎全体がはれてしまうような重篤な炎症を起こすこともあります。そのような場合は抜いたほうが良いと思われます。その不快症状の頻度にもよりますし、矯正歯科治療上抜歯が必要な場合もあります。


3. 抜くのは痛いんですよね
 人によって埋まっている状態、傾斜している状態が違いますので、まずレントゲン写真を撮って手術の大変さを予測します。通常、抜歯後2~3日後が痛みとはれのピークといわれています。抜歯後1~4週間で落ち着くことが多いです。抜歯当日だけは、やや安静にされることをお勧めしますが、厳密には特に制限はありません。
ほかに注意が必要なこととして、下あごの抜歯の場合は、親知らずの根の先が大きな神経の近くにあることが多いため、手術後麻酔がきれていないような感覚が残ることがあります。また、上あごの抜歯の場合は、上顎洞という鼻の横にある空洞と歯の根の先がつながっていることがあり、上顎洞の下底に穴が開くことがあります。
いずれにしても、抜くかどうかしっかり診断し、ご自身で選択してから行ったほうが良いと思われます。

執筆者

歯科・口腔外科 副部長  山本 友美
専門医・指導医 日本口腔外科学会認定口腔外科専門医/ICD/歯学博士
専門領域・得意分野 歯科一般、口腔外科

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