慢性副鼻腔炎とその治療について

慢性副鼻腔炎とその治療について

  「副鼻腔炎」という病気はどのような病気かイメージ しにくいかも知れません。しかし、「ちくのう症」と言えば聞いたことはあるという方が多いようです。副鼻腔炎には色々なタイプが有りますが「ちくのう症」もその一つです。
 副鼻腔は顔の骨の中にある空洞で、鼻の周りに位置しています。副鼻腔は鼻腔とつながっていて通常は空気で満たされています。副鼻腔の中で炎症が起きるようになった状態が副鼻腔炎です。慢性副鼻腔炎は副鼻腔炎が3ヶ月以上続いている状態のことです。
 最近の慢性副鼻腔炎を大きく分けると「ちくのう症」と「好酸球性副鼻腔炎」という二つのタイプに分かれます。ちくのう症では副鼻腔の中に実際に膿がたまるような状態になっています。薬で治療が可能な場合は数週から数ヶ月程度の服薬を行います。薬による治療のみでは治癒が難しい場合や、副鼻腔炎の程度が強い場合は手術を行います。好酸球性副鼻腔炎はアレルギーの素因が関係する副鼻腔炎で、ちくのう症より難治です。一昔前はあまり多くありませんでしたが、最近では手術となる副鼻腔炎の約半数が好酸球性副鼻腔炎です。手術や投薬を組み合わせて治療を行います。以前は何度も手術が必要な場合もあり治療が難しかったのですが、最近は治療法が大きく進歩しています。慢性副鼻腔炎の手術は内視鏡下での手術が主流です。昔の手術は口の中から歯ぐきを切って行いましたが、内視鏡下手術は鼻の穴からのみで手術を行う事ができます。
 手術技術や器具の進歩で、以前に比べて負担が少なく安全に行う事ができるようになりました。当院でもお困りの方には積極的に手術も行っています。

執筆者

耳鼻咽喉・頭頸部外科 副部長  檜垣 貴哉
専門医・指導医 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会耳鼻咽喉科専門医・指導医/日本アレルギー学会アレルギー専門医/日本鼻科学会鼻科手術暫定指導医/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会補聴器相談医
専門領域・得意分野 鼻・副鼻腔疾患全般/慢性副鼻腔炎/好酸球性副鼻腔炎/アレルギー性鼻炎

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