それらの主たる方法論は多職種から構成され、十分に調和が取れたチーム医療の推進と有効性が高く、最新かつ確実な医療行為を安全に供給する体制の構築であるといって過言ではありません。地域の基幹病院に対しては、これらの取り組みを通じて、現状の一時的な治療対応だけではなく、10年後・20年後の未来まで、患者さんの健康利益を恒常的に守ることのできる信頼できる医療供給体制が社会から求められています。
我々はこれらの社会ニーズに十分に答えるべく、図1のような医療供給体制をこの度、川崎医科大学総合医療センター開設にあわせて設立させていただきました。これらは現状で、それぞれの部門ごとに見てみると十分ではない部分も存在するのですが、2016年12月の新病院開院時から泌尿器科がんの手術における遠隔手術ロボット「ダヴィンチ」の最新型が稼動し、低侵襲手術が可能となりました。また病棟階の最上部、14階東病棟には18床からなる緩和ケア病棟が新たに開設され、患者さんの全人的疼痛管理が始まっています。

更に2017年2月1日より放射線治療部門が本格稼動し、がん患者の疼痛緩和のための放射線療法が早速開始されています。我々はこれらの取り組みを通じ、将来的に今までの臓器別がん診療体制ではなく、図2の如くでそれぞれの専門治療分野を、それぞれの分野の本当の専門医が協調して分業する形で、最大の患者利益である「高度専門的がん医療を安定的に供給できる新たな診療体制」を構築し、地域貢献したいと考えています。
