よくわかる脳卒中のお話・・・その3

更新日:2017/01/12

脳梗塞とは

脳梗塞とは脳の血液の流れが悪くなって、脳の細胞が死んでしまう状態を指します。

血流が悪くなる原因はいろいろありますが、大きく分けると、
動脈硬化によるもの(脳血栓症)と、心臓病によるもの(心原性脳塞栓症)があります。
脳血栓症はさらに動脈硬化の起こる場所によって、ラクナ梗塞(細い動脈の脳梗塞)とアテローム血栓性脳梗塞(太い動脈の脳梗塞)に分けられます。
 
 

脳梗塞の種類

○ラクナ梗塞
ラクナとは「小さなくぼみ」という意味で、脳の深い部分を流れている細い動脈(直径100~300ミクロン)の流れが悪くなって起こる小さな梗塞(直径1.5センチ以内)がラクナ梗塞です。長年高血圧の症状がある人に起こり、症状の大部分が片麻痺と半身の感覚障害です。1回だけの発作では大きな後遺症を残すことは少ないのですが、繰り返して起こったり知らず知らずのうちに病巣が増えると、認知症やパーキンソン症候群(身体の筋肉が硬くなり、動作がゆっくりになる)などを起こすことがあります。




○アテローム血栓性脳梗塞
アテローム血栓性脳梗塞は、脳の大きな動脈が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりして起こるタイプの脳梗塞のことです。起こり方は比較的穏やかなことが多く、数時間から数日かけて症状が進行して完成することもあります。大量に飲酒した翌日や、真夏のゴルフの後などに発症することがあり、脱水により血液がドロドロになるのと、血圧低下が原因になっているためと考えられます。高血圧、脂質異常症や糖尿病の人に発症することが多くあります。




○心原性脳塞栓症
心原性脳塞栓症とは、心臓にできた血栓がはがれて血流に乗り、脳に運ばれて動脈を詰めるものです。いろいろな心臓病があると、心臓の動きが悪くなり、同時に心臓の最も内側の膜が傷害されて血栓ができやすくなるのです。血栓ができやすい心臓病としては、心房細動(不整脈)が最も多く、その他心臓弁膜症、心筋梗塞などがあります。脳塞栓症の場合、それまで正常に流れていた血管内に、突然血栓が詰まって血流が途絶えてしまうため、詰まった血管の先の脳の大部分では、極端に循環が悪くなります。このため梗塞巣は非常に広範囲にわたることが多く、症状は突然起こり、それもかなりひどい麻痺や感覚障害、さらに多くは意識障害や言語障害を伴います。




このように、起こり方によって脳梗塞は大きく3つのタイプに分けられます。
各々の脳梗塞は、もともと持っている病気、症状の重症度で症状の治り方に違いが生じてきます。
 

執筆者

脳卒中科 副部長  井上 剛
専門医・指導医 日本内科学会認定内科医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
専門領域・得意分野 神経疾患全般/脳卒中全般

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