よくわかる脳卒中のお話・・・その17

更新日:2018/02/05

脳の画像検査~頭部CT検査と頭部MRI検査~

頭部CT(シーティー)検査
CTとは、X線を用いて身体(脳卒中の場合は頭部)の横断面を撮影する検査のことです。通常、5~10分ほど検査台に横たわるだけで終了する、痛みを伴わない負担の少ない検査です。X線での放射線被爆を心配される方もいらっしゃいますが、実際にはごくわずかな量なので特に問題はありません。検査の部位、目的によっては、造影剤を注射することもありますが、基本的に造影剤は安全な薬品なのでご心配いりません。ごくまれに副作用が出現することもありますので、薬剤アレルギーや、喘息の既往のある方は事前にご相談ください。

頭部CT検査では、脳出血は白いかたまりとして、脳梗塞は黒いかたまりとして画像に現れます。しかし脳梗塞を発病して間もない時期では、CT検査には映らず、約1日たたないと検出されません。そのため、多くの場合MRI検査を併用します。

最近の頭部CT検査では脳の血管そのものを、三次元の立体的な画像で描くことができるようになりました。特に、脳動脈瘤や血栓で詰まった脳動脈を発見するのに適しています。クモ膜下出血の原因の約8割は、脳動脈瘤の破裂によるとされています。クモ膜下出血は、発症すると3人にひとりは死亡するとされる危険な病気です。脳ドックなどで頭部CT検査やMRI検査を行なって、10ミリ以上の動脈瘤を発見すると、私たちは手術をお勧めしています。


頭部MRI(エムアールアイ)検査
MRIとは磁気共鳴画像法という意味で、磁石を用いて身体や頭の断面図を撮影する方法です。当然、放射線被爆はありませんし、造影剤無しでの検査も可能です。また、横断面(いわゆる輪切り)だけでなく、縦、斜めなど自由な角度での撮影ができるため、より詳細な情報を得ることができます。検査中に大きな音と振動がしますが、これは磁場を微妙に変化させる際に生じるものです。初めての方は驚かれるかもしれませんが、気になるときは耳栓やヘッドホンを装着することも可能です。非常に安全で苦痛の少ない検査ですが、30~40分程の時間を要します。

頭部MRI検査では、頭部CT検査よりも詳しく、細かいところまで脳の形を描くことができます。また、血管だけを抜き出して形にすることもできます。また、頭部CT検査では検出できない、発病間もない脳梗塞の病巣を検出する撮影の仕方(拡散強調画像)もあります。この拡散強調画像により、病院到着後すぐに頭部MRI検査を行なって脳梗塞の病巣を確認し、いち早く治療が開始できるようになりました。

このように、日々進歩する画像の検査により、脳卒中は発病する前や発病後もすばやい治療が可能な病気になりつつあります。



次回は、超音波検査について、詳しくご説明します。

執筆者

脳卒中科 副部長  井上 剛
専門医・指導医 日本内科学会認定内科医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
専門領域・得意分野 神経疾患全般/脳卒中全般

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