乳がん検診について

更新日:2020/08/13

乳がん検診について

   岡山県の乳がん検診受診率は、全国平均と同じくらいであり、受診率の高い県と比べると1/3から1/5くらいですが、平均受診率が半分以下ですので、乳がん検診を受けていない方のほうが多い状況です。岡山県は数年前まで独自の「視触診中心の岡山方式乳がん検診」を実施していたため、視触診だけを受けて終わってしまう文化があったために、マンモグラフィ検診の受診率は全国平均を下回っており、早期乳がんの検出率が低い状況でした。視触診でわかるのは2cmくらいのしこりで、マンモグラフィでは1cm未満のしこりも見つけられるため、国の対策型検診では早期乳がんの発見率を上げるため、マンモグラフィでの検査を強く推奨しています。
 乳がんは、がんの中でも女性のかかる割合が1位であり、罹患数も増えてきています。乳がんの中にも色々な種類のがんがありますが、どんなにたちの悪い酷いがんであっても早期発見すれば治ります。
 しこりが小さいうちに発見できると、予後も良く、治療がかなり簡単になります。入院は2泊3日程度、抗がん剤も必要ないため、すぐに社会復帰できることが多いです。当然、仕事や育児を休む期間も、医療費も大幅に小さくなります。いかに簡単に治すかを考えると、早期発見がもっとも価値が高いと言えます。是非、定期的なマンモグラフィ検査を受けてください。ご自分とご家族にとって最も良い選択肢だと思います。ただし、年齢と授乳状況に応じて超音波との併用が好ましい場合もありますので、判断が難しい場合には病院窓口、総合健診センター窓口でご相談ください。
 現在、日本の乳がん検診は諸外国と同じように各検診施設、精密検査施設の精度を評価するシステムの導入が推奨されており、岡山県も2023年5月より導入いたします。県内の検診施設、精密検査施設とも精度の向上が期待されます。安心して乳がん検診をお受けください。
 また川崎医科大学総合医療センターでは、昼間お仕事で乳がん検診を受診できない方達のために、「トワイライト乳がん検診」を実施しています。乳がんになりやすいピークと言われているのは、40歳代、50歳代の働き盛りの世代であり、なかなか休みもとれないと思いますので、「トワイライト乳がん検診」を開設していただきました。コロナ禍も終了しつつあります。是非、お仕事で忙しい方も受診してみてください。「トワイライト乳がん検診」には予約が必要ですので、「トワイライト乳がん検診のご案内」をご確認し、ご予約をご検討ください。仕事を抜けられないけれど、ご自身とご家族のために乳がん検診を受けておきたいという方は、ぜひ仕事帰りに受診してください。

執筆者

外科 部長  中島 一毅
専門医・指導医 日本乳癌学会指導医・乳腺専門医・評議員/日本外科学会認定医・外科専門医・指導医/日本超音波医学会認定超音波専門医 超音波指導医(乳腺)・評議員/日本がん治療認定機構がん治療認定医/日本乳腺甲状腺超音波医学会理事・幹事/日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会乳房再建責任医師・評議員/日本乳癌検診学会評議員/マンモグラフィ検診精度管理中央委員会マンモグラフィ読影講習会AS評価/医学博士
専門領域・得意分野 乳房超音波診断、甲状腺超音波検査、超音波ガイド下生検/整容性の高い乳がん手術(内視鏡下乳腺手術・超音波ガイド下乳房手術・乳房再建手術)/乳がんの薬物療法(術前・術後補助療法)

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