1.前立腺癌に対する、ロボット(ダヴィンチXi)を用いた「ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術」
川崎医科大学総合医療センターでは、低侵襲手術を一層充実させるため、2016年よりロボット手術システム「da Vinci Xi サージカルシステム」を導入しています。
本システムは、鮮明な三次元画像や人間の手指のように器用に動く鉗子を有しており、従来の腹腔鏡手術以上に、低侵襲かつ精度の高い手術が可能になるとされています。
現在までに、他院での経験を含めて800例以上行いましたが、重篤な合併症なく、非常に良好な結果です。
2.MRI-超音波癒合画像ガイド下前立腺生検による前立腺癌の診断
2024年より、前立腺癌疑いのかたに対する、MRI-超音波癒合画像ガイド下前立腺生検を導入しました。従来の前立腺生検は、超音波ガイド下にランダムに組織採取する方法で、前立腺癌が疑われる部位を確実に採取することは困難でしたが、この方法では、MRIで疑わしい部位の組織をピンポイントで採取でき、正確に診断を行うことができます。
3.腎がんや腎盂・尿管がんに対する腹腔鏡下手術
おなかに小さな穴をあけて、その穴から手術の器械を入れて手術を進めていきます。多くの症例では腹腔鏡で手術が可能です。①良好な視野②少ない出血量③小さい傷④痛みが少ないなどの特徴があります。ただし、癒着が強い症例では、開腹手術に移行する場合もあります。
当科には、腹腔鏡技術認定医が2人在籍しており、安全かつ確実な手術を心がけています。
4.尿路結石に対する治療
現在、尿路結石の治療は大きく、内視鏡手術と体外衝撃波に分けられます。レーザーによる内視鏡手術は、①硬い結石でも破砕可能②太った体型でも可能③破砕後に破砕した結石を回収可能など確実性が高い方法ですが、入院や麻酔を必要とします。体外衝撃波は、①外来でも可能②麻酔が不要などの利点がありますが、硬い結石の場合、破砕が不確実な点や、体型により破砕が困難な点、大きな結石には不向きな点などの問題もあります。当院では、レーザーを用いた内視鏡手術で治療を行っています。
5.精索静脈瘤に対する治療
男性不妊症や精巣痛の原因となる精索静脈瘤に対し、顕微鏡下精索静脈瘤結紮術を行っています。生殖医療専門医が2人在籍している中四国・九州地方有数の施設で、生殖医療専門病院と協力しながら、適応症例には積極的に手術を行っています。