放射線治療について
放射線治療とは
がん治療の3本柱
放射線治療は、手術、抗がん剤治療(化学療法)とならんで、がんに対する治療の三本柱のひとつです。
増加している放射線治療

欧米ではおよそ60%のがん患者が初回治療として放射線治療を受けており、日本でも放射線治療を受ける方は年々増加しています。
放射線治療は安全で効果的

手術や抗がん剤治療とくらべてイメージしにくく、放射線に対する不安や副作用の心配をお持ちの方も少なくないと思います。
放射線治療の歴史は100年以上あり、長年にわたって多くの知識、経験が蓄積されています。現代の放射線治療は安全で効果的な治療法となっています。
放射線治療の特徴
からだの形や機能の温存

がんの存在する臓器の形や機能を残しながら、治療することができます。
からだへの負担がすくない

全身への負担が少なく、高齢者や体力のない患者さんでも治療可能です。また、多くの場合は外来通院でも治療出来ることです。
様々な目的

1.病気の根治・縮小
2.手術前・手術後
3.症状を和らげる(疼痛緩和など)
放射線治療までの流れ
緊急の場合を除いて、放射線治療センターにおいでいただいた初日からすぐに治療が始まることはありません。放射線治療の準備期間が必要になります。
以下、放射線治療開始までの流れをご説明します。
受診当日~治療当日までの流れ
1.放射線治療医による説明

診察を行い、検査結果等を踏まえて最適な治療方法を決定します。治療方法や治療期間、治療の効果、副作用について患者さんに説明し、治療に対する同意をいただきます。
2.放治療計画用のCTの撮影(15〜30分)

治療体位に合わせた固定具を決めます。治療体位が決まったら、治療部位の皮膚にマークを付け、治療計画用のCT を撮ります。
3.治療計画(2〜7日)

治療計画用のCTを用いて放射線の最適な照射方法を検討し、作成します。また、治療計画が実際正しく治療できるか検証を行います。
4.放射線治療開始

通常の治療では、1回の放射線治療にかかる時間は15分程度です。照射は土日と祝日を除き、毎日行うことが一般的です。
通院で治療を受けることも可能です。通常の日常生活を続けることができます。
放射線治療の費用
公的医療保険

放射線治療は、基本的に公的医療保険制度で治療が受けられます。診療費は患者さんのご病状、治療方法によっても異なります。保険診療ですので高額療養費制度もご利用いただけます。
負担金額(一例)
- 乳がん温存術後(3割負担)
- 約13~19万円
- 前立腺癌(3割負担)
- 約34~45万円
高額療養費制度とは
公的医療保険における制度の一つで、医療機関などで支払った金額が、月のはじめから終わりまでの間で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度で、患者さんの医療費負担を軽減するための制度です。
詳しくは当院スタッフにお問い合わせください。
当院の特徴
当院の豊富な実績
治療件数
豊富な実績
様々な種類の疾患に対して治療実績があります
当院のスタッフと設備
充実した専門スタッフ
- ●放射線治療専門医 2名
- ●医学物理士 1名
- ●放射線治療専門放射線技師 3名
- ●放射線治療品質管理士 3名
- ●第1種放射線取扱主任者 3名
- ●がん看護専門看護師 2名
放射線治療の設備
外部放射線治療装置(リニアック):True Beam(VARIAN社)
高精度放射線治療の実現
- ●高精度放射線治療(強度変調放射線治療や定位放射線治療)に対応
- ●10種類のエネルギーが選択可能な汎用性にも優れた装置
- ●高度な画像誘導機構により正確なセットアップが可能
外部放射線治療補助装置:Exactrac(Brainlab社)
高精度な画像照合
- ●高度な画像誘導機構により迅速なセットアップ(約5秒)が可能
- ●0.1ミリ以下で精密な自動計算・自動補正が可能
地域がん診療連携拠点病院
全国どこでも「質の高いがん医療」を受けられる社会を目指して、都道府県による推薦をもとに、厚生労働省が指定した病院です。
専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。
地域がん診療連携拠点病院一覧
学会認定施設
JASTRO(日本放射線腫瘍学会)認定施設
この認定基準には、放射線治療専門スタッフがいるか、適正な精度管理ができているか、放射線治療について学会発表をしているかなど多くの審査項目がありますが、いずれも質の高い放射線治療を行う上で重要な項目です。
岡山県JASTRO認定施設一覧
説明と同意
放射線治療専門医による説明と同意

治療前に治療方法や治療期間、治療効果、副作用や他に選択可能な治療法などの説明を十分に行い、患者さんに納得して頂いたうえで治療を行います。
また、
がん看護専門看護師が同席し、患者に寄り添い、支援を行います。
専属看護師による看護
患者に寄り添うケア

放射線治療用パンフレットによる治療前オリエンテーション、毎日の体調管理の確認など、こまめに声掛けを行い、照射期間中だけでなく、終了後も看護ケアを徹底しています。これにより、副作用を抑えたり、症状の悪化を抑えます。
治療後の経過観察
放射線治療専門医、専属看護師による フォロー対応

放射線治療医により放射線治療期間中および治療終了後の経過観察を行っており、放射線治療による副作用や病状の変化に迅速に対応します。
他科との密な連携
相談・紹介しやすい環境づくり

関連各科と定期的なカンファレンスを行っており、多数の科と密接な連携をとっています。
疾患別の放射線治療の概要
当院では、幅広く様々な疾患に対する治療を行っています。その中でも当院で治療件数の多い代表的な項目についてご紹介します。

肺がん(早期)
肺がんについて
肺がんの治療は病期によって異なり、早期肺がんと進行期肺がんがあります。早期肺がんであれば、手術が標準治療ですが、手術が難しい方などは放射線治療が選択肢の1つになります。
▼進行肺がん放射線治療の説明はクリック
当院は、腫瘍内科、呼吸器外科、放射線科が集まる総合病院です。患者さんの治療方針について各科が密接に連携し、最新の科学的根拠(エビデンス)に基づいて、患者さんに最善の治療を提供するよう目指しています。
早期肺がんにおける体幹部定位放射線治療の役割
早期肺がんの患者さんの治療は手術が第一選択です。
一方で、早期肺がん患者さんの中には、全身状態が悪い、呼吸機能が悪い、合併症があるなどの理由から手術が難しい方(25%程度)もいます。
早期肺がん |体幹部定位放射線治療の特長
定位放射線治療はいわゆるピンポイント放射線治療です。従来の放射線治療よりも治療効果は高く、手術(縮小手術)に匹敵する治療効果を持っています。さらに、副作用も少なく、治療後、体力を落とすこともありません。
当院の特色
ピンポイント技術である定位放射線治療を活用

ピンポイント技術である定位放射線治療に治療効果の向上と治療中および治療後の副作用の軽減を目指しています。
高精度な位置照合を可能に

毎回の治療前に位置のずれがないかどうかを確認するため、写真を撮影します。
医師によるリアルタイムでの確認を行っています。
患者に合わせた呼吸管理

呼吸によって腫瘍の位置が変化する可能性があります。当院では赤外線を使って精確な呼吸による変動をとらえて放射線治療を行っています。患者さんには息を止めていただく場合があります。(10秒~15秒)
治療時間

定位放射線治療の場合、1回の治療に要する時間は45分程度です。
治療期間

4回~8回行います。
土日祝日を除いた平日に行います。

肺がん(局所進行型)
肺がんについて
肺がんの治療は病期によって異なり、早期肺がんと進行期肺がんがあります。
▼早期肺がん放射線治療の説明はクリック
進行期では、手術、放射線治療、抗がん剤治療、さらにこれらを組み合わせた治療となります。肺がんの治療はがんの進行によって、1つの治療法だけでは不十分な状況が多くなります。患者さんに合わせた適切な治療、治療の組み合わせが望まれます。
当院の特色
正常組織の放射線量を抑制できる高精度治療

VMAT(強度変調回転放射線治療)は、正常組織の放射線量を抑え、副作用のリスクを減らすことができる最先端の照射技術です。
肺がんの病巣の近くにも大切な正常臓器は多く、VMATが有効となります。
治療時間

1回の治療に要する時間は15分程度です。
治療期間

根治治療の場合、約30回行います。
土日祝日を除いた平日に行います。

前立腺がん
前立腺がんについて
前立腺がんに対する放射線治療の適応はひろく、前立腺内に腫瘍が留まっている限局性前立腺がん、前立腺の周囲に広がるような局所進行性前立腺がん、骨盤リンパ節転移がある前立腺がん、ホルモン療法が効きにくくなった去勢抵抗性前立腺がん、前立腺全摘術後の再発例、と多岐にわたります。
限局性前立腺がんでは、放射線治療と手術の治療効果はほぼ同等とされており、放射線治療で失禁を合併することは稀です。
当院の特色
正常組織の放射線量を抑制できる高精度治療

VMAT(強度変調回転放射線治療)は、正常組織の放射線量を抑え、副作用のリスクを減らすことができる最先端の照射技術です。
前立腺がんは病巣の近くに直腸や膀胱などの大切な正常臓器が多く、VMATが特に有効です。
高精度な位置照合を可能に

毎回の治療前に位置のずれがないかどうかを確認するため、写真を撮影します。
治療準備

治療期間中は
外来での治療が可能になります
膀胱や直腸の副作用を低減するために蓄尿や排便のコントロールを行います
専用の固定具を使用
治療中に骨盤部が動かないようにするためにプラスチック製の固定用マスクを作成します。(約15分)
患者さんそれぞれに合った型を作成します。
治療時間

1回の治療に要する時間は15分程度です。
治療期間

根治治療の場合、約37回行います。
土日祝日を除いた平日に行います。

肝臓がん
肝臓がんについて
早期の肝臓がんの治療は、手術やラジオ波焼灼療法(RFA)が標準治療になりますが、これらの治療が難しい場合はカテーテル治療である肝動脈化学塞栓療法(TACE)が検討されます。
当センターでは、カテーテル治療に体幹部定位放射線治療(SBRT)を追加することで、より高い治療効果を目指しています。
もし、体力や年齢などの理由で手術やカテーテル治療などが行えない場合でも、放射線治療のみを行うことができ、放射線治療のみでも十分な治療効果を期待することができます。
当院の特色
ピンポイント技術である定位放射線治療を活用

ピンポイント技術である定位放射線治療に治療効果の向上と治療中および治療後の副作用の軽減を目指しています。
高精度な位置照合を可能に

毎回の治療前に位置のずれがないかどうかを確認するため、写真を撮影します。
医師によるリアルタイムでの確認を行っています。
患者に合わせた呼吸管理

呼吸によって腫瘍の位置が変化する可能性がありますので、当院では呼吸管理を行って、放射線治療を行っています。患者さんには息を止めていただく場合があります。
治療時間

定位放射線治療の場合、1回の治療に要する時間は45分程度です。
治療期間

5回行います。
土日祝日を除いた平日に行います。

乳がん
乳がんについて
乳がんに対する放射線治療には、乳癌の手術後の再発予防の目的、転移した病変に対する症状改善を目的にした治療があります。
ここでは再発予防目的の手術後の放射線治療について、詳しくお話させていただきます。
乳がん手術後の放射線治療|再発予防目的
乳房を温存する手術や、乳房を切除する手術を行った後、放射線治療を行うことで、胸や周囲のがんの再発を減らすことができます。わきのリンパ節転移の個数が多いなどの場合に、リンパ節領域への照射を行うことがあります。
当院では、患者さんひとりひとりの病状や体の形に合わせた最適な治療方法を行っています。
当院の特色
通いやすさ・仕事や家事との両立
当院では、仕事や家事の都合に合わせた通院が可能です。
・仕事や家事との両立も可能です。乳癌の治療後の患者さんの中には仕事や家事をしながら治療を行っている方も多くいらっしゃいます。
・当院では、乳房温存手術後の放射線治療において、短期照射を行っています。
通常の照射では、仕事や家の都合で長い治療期間がネックになることがありましたが、短期照射では治療期間が2週間も短くなるメリットがあります。
短期照射と通常の照射
短期照射(16回程度)か通常分割(25回程度)を比べた、複数の国内外の研究から
1.治療の効果(再発予防効果)に差はない
2.晩期反応、治療後の見た目も差はない
3.急性期反応は短期照射のほうが軽度である
という結論が得られています。
現在では、短期照射も標準的な治療と考えられています。
皮膚炎に対するスキンケア
放射線治療に伴う肌の乾燥と炎症に対するケアを大切にしています。
乳がんの放射線治療の有害事象として皮膚炎があります。治療期間の後半になると、治療範囲の皮膚に乾燥や炎症が起こります。炎症によるかゆみやヒリヒリ感は治療終了後1か月程度で収まりますが、日やけのような小麦色や乾燥は1年程度続くことがあります。
皮膚ケアの指導

皮膚に必要以上の放射線があたらないよう照射方法を工夫するとともに、この皮膚炎の予防、軽減のため、照射開始からのスキンケアを開始することをお勧めしています。
パンフレットの活用

治療開始や治療終了時に、看護師からスキンケアや日常生活上のアドバイスをおひとりおひとりにいたします。治療期間中もお気軽にお尋ねください。
心臓に優しい放射線治療
当院では、出来るだけ有害事象の発症を抑える取り組みを行っています。特に左側乳がんには「深吸気息止め照射」を導入し、心臓への放射線量を可能な限り下げるよう努めています。
左乳がんの放射線治療を行うとき、通常の呼吸では左乳房に近くに位置する心臓にも放射線があたってしまうことがあります。
心臓にあたる放射線はわずかですが、放射線治療によって心臓へあたった放射線の量(線量)と放射線治療数年から20年間の心疾患の発症リスクと関連があるという研究報告もあるため、心臓への被曝はできるだけ少なくすることが大切です。
左乳がん放射線治療を行う際に、患者さんに息を大きく吸ってもらうことで、乳房と心臓の距離を離して照射を行う「深吸気息止め照射(DIBH:Deep inspiration breath
hold)」は心臓への被ばく低減が可能となる照射法です。
治療中の「はずかしさ」を減らすマンモウェア
照射中の肌の露出を最小限にするよう工夫しています。
通常、乳房の術後照射では位置合わせのために上半身に衣服を着けずに治療することが多く、女性患者にとって、精神的ストレスとなることが少なくありません。
当院では、乳癌術後放射線治療用病衣(マンマウェア)を開発しました。マンモウェアは、印を確認する際に肌の露出をできるだけ 避けることができます。
治療時間

1回の治療に要する時間は約15分程度です。
治療期間

最短で16回、最長で30回までの照射になります。
土日祝日を除いた平日に行います。

頭頸部がんについて
頭頸部がんについて
頭頸部がんとは
「頭頸部」とは頭蓋骨の下から、鎖骨より上の領域を指します。この範囲に含まれる鼻・副鼻腔、口腔、咽頭・喉頭(のど)、唾液腺、甲状腺などにできるがんを総称し「頭頸部がん」と呼びます。これらには、鼻・副鼻腔がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、唾液腺がん、甲状腺がんなどが含まれます。
頭頸部は「みる・きく・呼吸・食事・発声」など、ひとが生きるうえで大切な機能が集中しています。頭頚部がんの治療では、がんに対する治療効果とともにこれらの重要な機能をたもち、QOL(生活の質)を重視した治療が求められます。また、顔のかたちなどの整容的な配慮も欠かせません。
頭頚部癌の治療には、手術、放射線治療、薬物療法を単独あるいは組み合わせて治療をおこないます。
頭頸部がんの放射線治療
放射線治療は機能や整容性を温存でき、手術の代替治療としての特徴をもっています。
手術が発声や嚥下に深刻な影響を及ぼす可能性がある場合、放射線療法が主な治療となります。また、手の届きにくい部位のがん(例えば、口の奥やのどのがん)に用いられています。
当院の特色
正常組織の放射線量を抑制できる高精度治療

VMAT(強度変調回転放射線治療)は、正常組織の放射線量を抑え、副作用のリスクを減らすことができる最先端の照射技術です。
頭頸部がんは病巣の近くに大切な正常臓器が多く、VMATが特に有効です。
チーム医療で行う患者のサポート

がんによる症状や治療に伴う副作用は、ときに治療のさまたげになることがあります。患者さんに生活の質を保ちながら治療を受けていただけるよう、当院では、多職種が協力して、患者さんお一人お一人に合わせたサポートを行っています。
治療準備
専用の固定具を使用

治療中に頭や首が動かないようにするためにプラスチック製の固定用マスクを作成します。(約15分)
患者さんそれぞれに合った型を作成します。
治療時間

1回の治療に要する時間は15分程度です。
治療期間

根治治療の場合、約30~35回行います。
土日祝日を除いた平日に行います。
専属看護師による看護
副作用に対するケアの指導

必要以上の放射線があたらないよう照射方法を工夫するとともに、皮膚炎、粘膜炎などの予防、軽減のため、照射開始からのスキンケアを開始することをお勧めしています。
パンフレットの活用

治療開始や治療終了時に、看護師からスキンケアや日常生活上のアドバイスをおひとりおひとりにいたします。治療期間中もお気軽にお尋ねください。
心理面、社会的なサポート

病気、放射線に対する不安、家族へのケアや経済的負担などに寄り添い、心理的・社会的苦痛を軽減しながら、放射線治療が完遂できるようにサポートしていきます。

転移性骨腫瘍
転移性骨腫瘍について
多くのがん患者が転移性骨腫瘍を経験すると言われています。痛みのある骨転移に対する放射線治療は、約60~90%の症例で疼痛緩和が期待できます。除痛は数日程度で効果が認められることもありますが、4〜8週で除痛効果が最大になると考えられます。
放射線治療による介入は、生活の質の改善・維持、鎮痛薬の使用・副作用を最小限に抑える上で有用です。
当院の特色
日帰り治療が可能
他科、他病院から放射線治療へ紹介されてから、翌日までに照射を行います。
疼痛緩和を目的とする場合、10回程度が一般的ですが、場合によっては、1回で治療を行うことも可能です。
副作用もほとんどありません。
治療時間

1回の治療に要する時間は10分程度です。

転移性脳腫瘍
転移性脳腫瘍について
転移性脳腫瘍への放射線治療は、症状を軽減・解消することや予防することを目的としています。治療法は、転移性脳腫瘍の大きさや個数などによって異なります。
転移性脳腫瘍が少数でサイズが小さい場合は、定位放射線治療によりピンポイントに治療することがあります。転移性脳腫瘍の数が多い場合、サイズが大きい場合、髄膜まで腫瘍が広がっている場合(髄膜播種)では、脳全体を照射する全脳照射を行うことがあります。
当院の特色
ピンポイント照射が可能

転移性脳腫瘍の数が数個の場合、放射線治療は正常細胞への影響を最小限に抑えて、病巣だけをピンポイントに治療します。当院の定位放射線治療は、治療装置や寝台が病巣を中心に円を描くように回転することで、放射線を病巣に集中させる高精度な照射技術です。
治療準備
専用の固定具を使用

治療中に頭が動かないようにするためにプラスチック製の固定用マスクを作成します。(約20分)
患者さんそれぞれに合った型を作成します。
治療時間

1回の治療に要する時間は30分程度です。
治療期間

症例に合わせて回数が異なりますが、最短で1回で終わる場合もあります。
土日祝日を除いた平日に行います。

ケロイド
ケロイドについて
ケロイドは、傷が治る過程で修復する組織が過剰に増えて盛り上がったものをいいます。
一般的に、ピアス、ニキビ、予防接種、手術の痕がケロイドになることが多いです。
治療はケロイドの切除+放射線治療(電子線)を行います。ケロイドを切除するだけでは再発するため、放射線治療を追加して再発を予防します。
当院の特色
院内の形成外科との連携

当院の
形成外科と連携を行い、手術から放射線治療へのスムーズな治療が行えます。
地域の病院との連携

地域の病院とも協同して、ケロイドの治療を行っています。連携を取っている病院で手術をしたのち、当院の放射線科で放射線治療のみ行うことも可能です。通院で治療ができます。
治療の流れ
- 1.通常の治療では、1回の放射線治療にかかる時間は15分程度です。照射は土日と祝日を除き、毎日行うことが一般的です。
通院で治療を受けることも可能です。通常の日常生活を続けることができます。
- 2.手術日は手術後に放射線治療センターに来ていただき、傷口の確認や治療範囲を決めていきます。(型取り)
- 3.治療する範囲が決まったら患者さんごとに治療計画を立て、翌日から治療が開始できるように準備をしていきます。
治療時間

1回の治療に要する時間は約15分程度です。
治療期間

3~4回の治療を行います。
土日祝日を除いた平日に行います。