わが国では現在、国民の皆様に質の高い医療を提供することを目的として、医師の診療専門領域すなわち専門医制度の見直し作業が行われています。そして、「総合診療専門医」という新たな専門医制度が作られました。そのような状況にあって、子どもの診療に関しては「もともと小児科医は子どもの総合診療医」というのが、日本小児科学会の基本的な考え方です。診断や治療の進歩、高度先進医療の導入などにより、専門性を磨くことの重要性が増大した昨今ですが、小児科医は常に子どもの成長発達や健康のあらゆる問題に幅広く対処できる力を備えていることが大切です。中でも、乳幼児期から思春期にいたる成長や発達の評価、子どものもっともありふれた疾患である感染症の診療と予防手段であるワクチン、学校保健などに関しては、特に広く正しい知識と豊富な経験で診療を担当しています。
特徴・特色
1.子との診療における留意点
子どもは、病気にかかってさえいなければ、とても健康で元気な存在です。本人やご家族が困っている、心配されてる症状や所見に十分に耳を傾け、迅速で正確な診断に心がけるとともに、治療が必要な場合には適切に対処いたします。
2.予防接種についての高い専門性
わが国の子どもの予防接種制度には、近年様々な変化が見られています。まずは、予防接種法に基づいて実施される定期接種ワクチンの種類が大いに増えました。乳幼児の細菌性髄膜炎など重症感染症を予防するインフルエンザ菌b型(Hib,“ヒブ”)ワクチンや小児用肺炎球菌ワクチン、そして水痘(みずぼうそう)、B型肝炎、ロタウイルスワクチンも定期接種となり、公費で受けることができます。また、髄膜炎菌など新しいワクチンが導入され、接種スケジュールや同時接種の問題、基礎疾患やアレルギーのある子どもへの接種などについての質問も多いと思います。さらに、グローバル化時代になり海外渡航する機会は増大しました。海外渡航に際してのワクチンの相談は毎年増加の一途です。当科では、これら予防接種に関しては、特に豊富な知識と経験を持つスタッフが対応させていただきます。県からの委託事業である岡山県予防接種センターも当科に設置されています。
3.学校保健など
学校健診で医療機関受診を指示された結核検診や尿検査(腎臓検診)についても対応可能です。