当科では、様々な精神科疾患や心の悩みに関する相談・治療を外来診療(通院治療)として行っております。治療の主体は精神療法と薬物療法になります。また、それぞれの疾患がどのようなものかを知っていただき、患者様ご自身に生活の中で気をつけていただきたいこと、ご家族や同僚など周囲の方が患者様と接する時に気をつけていただきたいことなど、個々の患者様の生活を考えたアドバイスを行います。必要に応じて、心理検査、脳画像検査、脳機能検査、血液検査などを行います。
主な対象疾患
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- 1うつ状態、うつ病
- 気分が落ち込み、元気がなくなり、記憶力や判断力も低下します。
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- 2躁うつ病
- 全くやる気がなくなる、理由もなく気分が落ち込むといったうつ状態と、ハイテンションとなり自信が増す、頭が冴えるといった躁状態を繰り返します。
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- 3パニック障害
- 急に強い不安に襲われ、動悸や窒息感などが突然起こります。
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- 4社交不安障害
- 人前で過度に緊張してしまいます。
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- 5全般性不安障害
- 漠然とした不安感があり、何もかもが心配になってしまいます。
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- 6強迫性障害
- ある事柄が気になり何度も確認してしまう、特定の動作を繰り返し続けてしまいます。
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- 7適応障害
- 職場や学校でうまくいかないなどのストレスで不安や抑うつが起こります。
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- 8認知症
- 物忘れや新しいことが覚えられないといったことで生活に支障を来します。
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- 9統合失調症
- 人から悪く言われると感じたり、危害を加えられる、ねらわれていると感じる。幻覚や妄想がみられることがあります。
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- 10身体表現性障害(自律神経失調症)
- 心の悩みが身体の症状として現れます。
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- 11不眠症
- 寝つきが悪かったり、途中で何度も目が覚めたり、朝早くに目が覚めたりすることが続き、そのため日中に心身の不調が生じます。
特徴・特色
当科では、外来診療の中で、精神療法・薬物療法を組み合わせ、個々の患者様にとっての最適な医療を提供していきたいと考えております。これは当科に限ったことではありませんが、特に精神科疾患の治療においては、患者様やご家族がどのようなことを感じ、悩んでおられるのか、また薬を飲んだ時の変化や飲み心地など、治療に関する患者様やご家族からのご意見や情報がとても参考になります。このように、当科での治療では、患者様やご家族と、われわれ医療スタッフとの協力関係が特に大切だと考えております。
また、精神科疾患の中には経過が長くなるものもあり、患者様の生活や人生といったものに影響を与えることも少なくありません。このような場合には、精神保健福祉士なども加わり、地域での生活を支えていく体制作りを一緒に考え、必要に応じて支援させていただくこともおこなっております。症状の治療だけにとらわれず、患者様の生活にも目を向け、これらを支えていくことを心がけて診療を行っていきたいと考えております。
ほかの診療科に入院されている患者様に対して、連携をとりながら協力して治療に当たるコンサルテーションリエゾン精神医学にも積極的に取り組んでおります。
実績
令和5年4月~令和6年3月
外来患者総数 |
1,701名 |
うち初診患者数 |
661名 |
神経症性障害など(パニック障害、適応障害など) |
679名(40%) |
症状性および器質性精神障害(認知症、せん妄など) |
394名(23%) |
気分障害(うつ病、双極性障害など) |
305名(18%) |
統合失調症 |
125名(7%) |