緩和ケアチーム

責任者 山根 弘路
内科副部長(総合内科学4准教授)

業務概要

緩和ケアは、がんに伴う身体や心の問題を、単に病気に対応する医療としてだけではなく、社会生活なども含めて全人的に対応し、患者さんとその家族が自分らしい生活を送れるよう支えることを目標としています。現在、このような生活の質(Quality of Life: QOL)を重要視する診療体制の必要性は急速に拡大しています。近年臨床腫瘍学の分野においても、患者さんの複雑で多様化した“苦痛”に対して、多職種の医療従事者や専門家がチームとなって活動することが推奨されています。当院では、がんの積極的治療と専門的な緩和ケアを平行して提供可能なシステムを構築すべく、2011年4月に院内緩和ケアチームを立ち上げました。内科、外科、心療科、麻酔科などの医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなどの多職種のスタッフがチームを組んで、それぞれの患者さんに最もふさわしい医療を提供するために幅広い活動を行っています。

特徴・特色

当院の緩和ケアチーム(PCT)全体カンファレンスは毎週月曜日に行い、患者さんの現状、問題点およびその対策をチームメンバー全員で討議します。また毎週水曜日午前中に緩和ケアチームの病棟総回診を行い、具体的治療策の効果や対応策の評価、医療スタッフの活動の保証や助言などを通じて、患者・医療スタッフを専門的なチームメンバーが直接支援する機会を設けることで、患者QOLの向上に努めています。また当院は2012年度から岡山県がん診療推進病院に認定されたことから、PCT活動と並行して臓器別キャンサーボードを週1回、院内全体のキャンサーボードを2ヶ月に1回開催しており、PCTメンバーを含む、すべてのがん関連スタッフが診療の全体的なレベルアップを図るべく、日夜研鑽を積んでいます。その結果として、看護スタッフの中から緩和ケア認定看護師およびがん性疼痛看護認定看護師の双方が誕生しました。
これらは当院の特徴でもある、“患者さんへのきめの細かい医療提供”の礎となっており、当院PCTの誇りでもあります。我々は当院のがん診療を担う中心的な部門の1つとして、患者さんとその家族の苦痛を緩和し、高いQOLを維持することのできる全人的医療の提供体制を維持するため、専門的スキルを有するすべてのスタッフが連携して医療提供を行ってまいります。

実績


  •          図1

診療科

部門

専門外来