神経眼科という、ちょっと聞き慣れない領域をご存知でしょうか?眼科と言いますと、小さい眼球を専門的に治療する科と思われているかも知れませんが、全身的な病気や脳の病気などが原因で目の神経や筋肉、周囲の組織が障害されて生じる様々な症状で悩まれている患者さんも対象となります。
1.視力障害(急に中心部分が見えなくなった、一時的に片眼の視界が真っ暗になった、お風呂に入るとぼやけて見える)
2.視野障害(何となく右・左側が見えにくい、人や物によくぶつかる、ギザギザした光が広がって見える)
3.眼球運動障害(目が急に動かなくなった、テレビの画面やセンターラインなどが2つに見えるようになった、物が揺れて見える、物が回転して見える)
4.眼痛(目の奥がズキズキする、目を動かすと痛い)
5.眼瞼異常(まぶたが腫れている、夕方になるとまぶたが下がってくる、まぶたを開けにくい,目を閉じていた方が楽だ,まぶたがピクピクする)
6.眼球突出(片方あるいは両方の眼球が飛び出してきて気になる)
7.瞳孔異常(片目のひとみが大きくなった)
などの病態を診断し,適切な治療を提供する診療分野のことを言います。
眼球自体の病気の場合はもちろんですが、脳神経外科、脳卒中科、内科、耳鼻咽喉科、小児科など、実際には眼科以外の病気が原因であったとしても、目に症状が出ればまず眼科を受診されることが多いと思います。しかし、中には生命にかかわる重篤な病気が隠れている場合もあり、慎重な対応が求められます。つまり眼科に特有の病気なのか、あるいは他の病気の影響が目に現れているのかどうかを初期の段階で適切に判断し、必要ならば関連のある診療科へ紹介しております。
神経眼科外来では、この様な幅広い領域の病気の可能性を常に念頭に置きながら日常診察を行っており、眼科的治療につきましても他科と連携を取りながら行っております。
どんな些細なことでも構いませんので、前から気になっている目の症状、原因がわからず困っている目の症状などがありましたら、お気軽に神経眼科外来を受診して下さい。少しでもお役に立つことが出来れば幸いです。
甲状腺眼症
