栄養サポートチーム(NST)

責任者 外科副部長 山辻 知樹
NST(Nutrition Support Team)とは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、リハビリテーションスタッフなどの専門職や事務職が、それぞれの知識や技術を出し合い、個々の患者さんに最適の栄養サポートを行うチームです。

院内各病棟には、糖尿病や腎疾患、脳梗塞後遺症などの慢性疾患から、がんの術後や化学療法中、あるいは救急の多発外傷や誤嚥性肺炎に至るまで様々な疾患を抱えた患者さんがおられます。しかし共通しているのは、全ての疾患の治療に栄養状態が深く関与していることです。治療がうまくいくかどうかは栄養の良し悪しにかかっているといっても過言ではありません。これらの患者さんの栄養状態の評価とサポートを、専門的な知識と技術をもつチームで進めているのがNSTです。
NSTは、欧米において1970年から80年代に中心静脈栄養の進歩と共に広がりましたが、日本では1990年代後半に入ってようやくその重要性が知られるようになり、全国の病院で立ち上がりはじめました。現在では病院評価機能の重要項目の一つとなり、2006年の診療報酬改正に伴い、NST活動に対する栄養管理加算が設けられました。

当院では、2008年1月に栄養給食委員会の活動として、NSTが立ち上がりました。2010年には院内の独立した組織としてNST推進委員会が発足し、2011年9月より診療支援部門に栄養サポートチーム(NST)が部署として配置され、栄養管理加算算定も開始されました。

特徴・特色

各病棟に患者さんが入院すると、病棟看護師による入院時栄養評価が行われます。これはSGA(Subjective Global Assessment 主観的包括評価)といわれる簡便な評価方法で、世界中の病院で行われています。このSGAで栄養状態が不十分であると評価され、さらに臨床検査技師によるアルブミン値スクリーニングも併せてリストアップされた入院患者を対象として、管理栄養士が身体計測・必要栄養量・投与栄養量の算出を行い、NSTカンファレンスに提示されます。

NSTカンファレンスは現在、毎週1回行われています。管理栄養士と病棟看護師から示された情報をもとに、摂取栄養量、栄養経路と現在の病態に基づく問題点について話し合い、最適と思われる栄養療法を検討します。カンファレンスに引き続き、チームで病棟回診を行います。個々の患者さんのベッドサイドで患者さんの訴えや状態の観察を行い、検討した栄養療法の具体的な提案を行います。個々の治療経過や栄養状態の評価は引き続き次週のカンファレンスへフィードバックされ、繰り返し検討します。また、長期臥床に伴う褥瘡は、栄養状態と密接に関連しており、褥瘡管理チームとの連携もすすめています。

患者さんのお役に立てるまで、地道に継続することが大事だと考えています。NSTはまさにチーム医療の最先端モデルであり、この活動を通して、さらに幅広いチーム医療の輪が広がることを目指しています。