内科

消化器、肝臓

消化器領域は臓器も多く多彩であり、消化管グループ、肝臓グループ、胆膵グループの3つの領域に分かれて診療しています。また、食欲低下や胃痛などの消化器症状は必ずしも消化器疾患とは限らず、それらを鑑別できる臨床力に長けたスタッフがそろっています。
1.消化管グループは食道、胃、十二指腸、小腸、大腸疾患を担当します。胃がん・大腸がん検診をはじめとして、がんの術前診断、内視鏡治療、化学療法など幅広く診療を行っています。また出血、大腸がんによる腸閉塞などの緊急治療にも対応できる体制をとっています。
2.肝臓グループは、ウイルス性肝疾患、代謝性肝疾患、自己免疫性肝疾患、肝臓がんを主体に診療しています。特に代謝性疾患の一つである非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肝硬変・肝がんのリスクとなるため単純性脂肪肝との鑑別が大切です。当科では肝生検を行い、正確な診断のもとに加療しています。肝がんに対しては、ラジオ波焼灼術(RFA)をはじめとした低侵襲性治療を主体に、複数科と協議し患者さんの病状に応じた治療を選択しています。
3.胆膵グループは膵・胆道のプロフェッショナルとして、結石や膵・胆道がんに対し、従来の内視鏡に加え超音波内視鏡、経口胆道鏡、ダブルバルーン内視鏡を駆使した高度な診断治療を行っています。がん患者に対しては化学療法を行う一方、胆管炎などの緊急対応を行わなければならないことも多く、低侵襲で高難度な治療ができる施設ほど在宅期間や生存期間の延長が期待できます。また、高齢患者では結石による胆管炎も重症化すれば長期入院や生命にかかわることもあります。当科では確実な内視鏡治療で入院期間の短縮に努めています。

診療部長・責任者

担当医一覧

主な対象疾患

  • 1早期胃がん
    ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が始まり、今後発症が減少していくと思われますが、まだまだ多い疾患です。早期発見できれば多数の患者が内視鏡で治療を行うことができます。この治療法は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれ、外科的治療と比較すると入院期間が短く胃が残せるのでQOLを保つ上で有利です。
  • 2早期食道がん、大腸側方発育型腫瘍
    これらの早期がんも、内視鏡による早期胃がんと同様、ESDによる低侵襲治療が可能です。
  • 3進行消化器がん
    切除不能な消化器がんに対して、複数科と協議しながら化学療法やステントによる緩和治療を行っています。
  • 4ウイルス性肝炎
    B型・C型ウイルスによる慢性肝炎に対して、専門医が抗ウイルス剤による最新の治療を行っています。
  • 5非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
    最近増加している代謝性肝疾患です。肝硬変・肝がんの危険因子になります。検診で肝機能異常と脂肪肝を指摘された患者は予後の悪いNASHを鑑別する必要があります。確実な診断ののち適切な治療を行えばNASHになっていても改善できる可能性があります。
  • 6原発性肝がん(肝細胞がん)
    近年、適切な慢性肝疾患の治療により若年者の肝がんは減少中ですが、肝疾患患者の高齢化による高齢者の肝がんは少なくありません。従って、患者の余命も含めQOLに配慮した治療が欠かせません。当科では外科、放射線科と協議のうえ治療方針を決定しています。肝がんに対するラジオ波焼灼術(RFA)は放射線科医によるCTガイド下と内科医による超音波ガイド下の2通りがありますが、患者の病変に応じた適切な方法を採るようにしています。写真は肝表面の超音波では描出困難な病変に対するRFAです。
  • 7総胆管結石
    総胆管結石症は急性胆管炎や急性膵炎の原因となり、高齢者では時に致命的となります。内視鏡治療は低侵襲で効果も高く第一選択となる治療ですが、結石の大きさや数で治療の難易度が異なり、それ以前の問題として胆管内に治療の道具を挿入できない患者も少なくなく、施設間で、治療期間・回数の差が出やすいのが特徴です。
  • 8膵胆道がん
    この2つは、難治がんのトップと2番のがんです。根治のためには早期診断後に外科治療を行うことが必要となります。従って精密度の高い診療が必要であり、CTやMRIなどの通常画像検査に加え、超音波内視鏡、経口膵管鏡、経口胆道鏡、ダブルバルーン内視鏡といった特殊な内視鏡と、それを自在に扱える医師が必要です。また、膵のう胞は最近の画像検査ではよく指摘される病変です。その内のいくつかは膵がんにつながる病変であることもあります。一度は超音波内視鏡による精密検査をお勧めします。

特徴・特色

胆膵内視鏡診断治療
胆膵内視鏡診断治療には従来の十二指腸スコープに加え、様々な内視鏡が必要であり、それらを使いこなせる技量が必要となります。当施設には胆膵内視鏡診断治療にかかわるすべてのスコープ、それらを操れる医師、そしてそのための教育環境が整っています。

1.初回患者に対する通常胆膵内視鏡検査治療の成功率は90%前後です。高い施設で95%から97%です。当科はそれ以上の結果を出しています。

2.閉塞性黄疸や胆管炎で行う胆道ドレナージはステントによる内瘻を主体としていて、体外にチューブ(外瘻)を出さないようにしています。また、必要な場所に必要な数のステントを留置できる技術を持っています。

3.超音波内視鏡は病変の観察診断と生検診断に欠かせない内視鏡です。当科には観察用のラジアル型超音波内視鏡、穿刺用のコンベックス型超音波内視鏡を揃えています。ラジアル型は膵のう胞(特に膵管内乳頭腫瘍:IPMN)の観察に適しています。IPMNではそのものががん化したり、他部位に膵がんが発生したりすることがあるため、丁寧な観察が必要です。コンベックス型は生検診断だけでなく、従来の内視鏡ではできなかった消化管と胆管・膵管・膿瘍を吻合(結合)に用いることにより、特にがん患者のQOL向上に貢献しています。

4.術後再建腸管に対する膵胆管内視鏡治療
胃や膵胆道の手術を受けたことのある患者では、通常の内視鏡では届かない部位に胆管や膵管が存在するため、ダブルバルーン内視鏡を用いた治療を行っています。

5.ディスポーザブル胆道内視鏡
従来の胆道鏡は操作性や耐久性が悪く使用できる症例数に限りがありましたが、ディスポーザブルにすることで操作性・耐久性が共に向上し、胆道内視鏡による胆管内治療が可能となりました。

実績

平成31年4月~令和2年3月

上部消化管内視鏡検査 2,179件
ESD 24件
EMR 9件
食道静脈瘤治療 20件
下部消化管内視鏡検査 1,038件
ESD 12件
EMR 192件
超音波内視鏡検査 320件
ERCP関連治療 359件
EUS-FNAB 60件
IV-EUS 14件

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部門

専門外来