胆膵内視鏡診断治療
胆膵内視鏡診断治療には従来の十二指腸スコープに加え、様々な内視鏡が必要であり、それらを使いこなせる技量が必要となります。当施設には胆膵内視鏡診断治療にかかわるすべてのスコープ、それらを操れる医師、そしてそのための教育環境が整っています。
1.初回患者に対する通常胆膵内視鏡検査治療の成功率は90%前後です。高い施設で95%から97%です。当科はそれ以上の結果を出しています。
2.閉塞性黄疸や胆管炎で行う胆道ドレナージはステントによる内瘻を主体としていて、体外にチューブ(外瘻)を出さないようにしています。また、必要な場所に必要な数のステントを留置できる技術を持っています。
3.超音波内視鏡は病変の観察診断と生検診断に欠かせない内視鏡です。当科には観察用のラジアル型超音波内視鏡、穿刺用のコンベックス型超音波内視鏡を揃えています。ラジアル型は膵のう胞(特に膵管内乳頭腫瘍:IPMN)の観察に適しています。IPMNではそのものががん化したり、他部位に膵がんが発生したりすることがあるため、丁寧な観察が必要です。コンベックス型は生検診断だけでなく、従来の内視鏡ではできなかった消化管と胆管・膵管・膿瘍を吻合(結合)に用いることにより、特にがん患者のQOL向上に貢献しています。
4.術後再建腸管に対する膵胆管内視鏡治療
胃や膵胆道の手術を受けたことのある患者では、通常の内視鏡では届かない部位に胆管や膵管が存在するため、ダブルバルーン内視鏡を用いた治療を行っています。
5.ディスポーザブル胆道内視鏡
従来の胆道鏡は操作性や耐久性が悪く使用できる症例数に限りがありましたが、ディスポーザブルにすることで操作性・耐久性が共に向上し、胆道内視鏡による胆管内治療が可能となりました。